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オリエンタルラジオが吉本興業から独立しました。2020年は、SNSを用いたインターネットでの発信の場が増え、事務所を辞めるアイドルや芸能人が増えた年でした。芸能界の構造も転換期を迎えているのかもしれません。
オリエンタルラジオやフワちゃん、キングコング、渡辺直美さんなど、YouTubeやインスタグラムで人気のある芸人さんたちが増えています。テレビが唯一のメディアであった時代は終わり、芸能人はSNSを含めて多様な活動の場を持てる時代になりました。芸能事務所もその在り方や存在意義を、再定義する必要がありそうです。
テレビ番組でも、YouTuberなどの「インターネットでファンを抱えるインフルエンサーを起用する機会が非常に増えました。テレビ番組の出演者の欄やトピックにYouTubeという単語が、以前よりも頻繁に登場しています。かつては「テレビよりもYouTubeの方が下」のように扱われる風潮もありましたが、現在ではこの論調は薄くなっています。
2019年には日本のインターネット広告費が、テレビの広告費の金額を上回りました。スポンサー企業もテレビ局も、インターネットやSNSの影響力を侮ることはできなくなっています。現状は、ゲスト出演させて数字を見つつ、「テレビにも対応できるインターネットで人気のインフルエンサー」を探している段階ですが、適性のあるインフルエンサーが見つかれば、その人物がレギュラー番組を持つ可能性もあります。
テレビやラジオ、YouTubeなどのSNSメディア、雑誌や書籍などの紙メディアが、メディアの垣根を超えて交錯する時代になっています。芸能人がYouTubeチャンネルを持つのはもちろん、テレビ番組やテレビ局が、YouTubeでチャンネルを持ちます。YouTuberなどのインフルエンサーがテレビやラジオに出演したり、書籍を発売したりします。インスタグラマーが雑誌のモデルになるなど、様々なメディアミックスが活発に起こります。芸能、YouTube、インスタグラムなどの起点は重要な意味を持たなくなり、影響力をもつ人はメディアの垣根を超えて、影響力を拡張することができます。もちろん、それぞれのメディアによって求められる資質や適性は異なりますが、以前よりも各メディアの垣根は低くなっていると思います。