まだ緊急事態宣言が出されていない地域でも、自治体ごとに時短営業または休業する店舗などに対して支援金などを支給する自治体が多数あります。
今回の時短営業または休業に対する支援は、緊急事態宣言が行われた昨年の協力金に比べ増額されてはいますが、飲食店・カラオケ店以外のスポーツクラブやゲームセンター、ネットカフェ、漫画喫茶などは現状では対象外となっています。
これ以外にも直接的な影響を受けた業界も多く、またその経済的な低迷が他の業種にも連鎖していくことになります。「業務がほとんどなく開業していても経費がかかるだけ」と判断して自主休業に入る会社やお店もあります。
■コロナ禍により休業手当が増額
このような労働者本人のせいではない休業、つまり「使用者の責に帰すべき事由による休業」の場合は、通常休業手当が支払われます。労働基準法では休業に入る前3カ月の平均賃金の「60%以上」を支払うことが定められていて、多くの場合は法定要件である60%の休業手当が支払われてきました。
それがこのコロナ禍で特例措置が取られ1人1日あたり1万5000円を上限として、大企業の場合は平均賃金額の「4分の3」が、小規模事業者については「100%」が支給されるように変更されています。アルバイトなど雇用保険被保険者以外の休業手当も助成対象です(ただし、雇用保険適用外の場合は申請方法が異なります)。
さらに、厚生労働省は8日、11都府県の時短要請に応じる飲食店などを対象に大企業でも、助成率を100%とすると発表しています。
助成金の支給限度日数は原則として1年間で100日分、3年で150日分ですが、緊急対応期間中(2020年4月1日~21年2月28日)に実施した休業などは、この支給限度日数とは別に支給を受けることができます。
特例措置の期間は今年の2月28日までとなっていますが、今後再延長も検討されています。
■今まで休業手当を受け取れなかった人も受給が可能に
この休業手当ですが、会社自体が申請しなければ受け取ることができないのが問題でした。会社が従業員に休業手当を支払ってから企業に助成金が支払われると後払いになって時間がかかる、また支給の申請手続きが煩雑といった理由から、特に中小企業では申請を見送る事業主がいるからです。