昨春、登録していたベビーシッターが相次いでわいせつ事件を起こした「キッズライン」でまたも不祥事が発覚した。今度は、法律で義務付けられている自治体への届け出をしていないシッターを多数登録していたことが発覚。政府は補助金の返還を求める方針だとしている。シッターによるわいせつ事件は社会問題となり、法改正の動きにまで発展した。昨秋には同社の経沢香保子社長も複数のメディアの取材に涙を浮かべながら反省と謝罪を述べていた。それからわずか4カ月――不祥事が繰り返される背景には何があるのか。
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28日の昼、FNNプライムオンラインで<【独自】キッズライン 補助金返還要求へ 無届けシッター75人>と題する記事が配信された。
1月25日時点で、キッズラインには法律で義務付けられた届けが確認できないシッターが75人おり、半数とは連絡が取れない状態であること、これを受けて内閣府は同社に補助金の返還を求める方針であることが報じられた。返還額は1000万円規模になりそうだという具体的な記述もあり、「その辺を歩いている見知らぬ人に子どもを預けるのと一緒だ」という内閣府関係者の批判も紹介された。
なぜこのような事態になったのか。キッズラインによると、シッターの届け出は、登録時にシッター自身が自治体に提出する記入済みの認可外保育施設設置届の写しをデータでアップロードする決まりになっており、同社はそれで確認をしていたという。しかし、その後に届け出書が自治体に受理されたかどうかを確認するフローがなく、無届けのシッターが登録されてしまったという。
「最後まで確認を行っていなかったことは、当社の法令理解の不十分さによるものだと考えています」(キッズライン広報)
現在はフローを改善して、複数の方法で自治体への提出を確認できるように改めたという。
内閣府は、無届けのシッターにかかわる補助金を3月12日までに返還するように求めている。金額はフジテレビの報道では「1000万円規模」となっているが、キッズラインは「正確な金額については現在調査中です」(広報)と回答した。