今回は、閣僚からも苦言が呈された。共同通信によると、29日、坂本哲志少子化対策担当相は記者会見で「大変遺憾だ」と述べたうえで、キッズラインについて「(過去に)わいせつ事案もあった」と指摘。「子どもや親のためしっかり厳しく取り組まなければならない」と強調したという。
地域政党「自由を守る会」代表の上田令子都議は、昨年からキッズラインの企業姿勢に疑問を持ち、東京都にベビーシッター利用支援事業の認定基準の見直しなどを求めてきた。上田氏は「補助金返還は当然だ」としたうえで、次のように語る。
「補助金を返したら終わり、では済まされない行為です。75人も無届けのシッターがいたこともさることながら、連絡がつかない人が半数以上いたことはもっと問題です。会社でシッターの管理がまったくできていなかったわけであり、子どもの命を預かる事業者として不適格です。内閣府は割引券等取扱事業者としての認定を取り消すべきだと思います。内閣府が取り消せば、東京都も追随せざる得ません。行政が厳しい措置を取らなければ、昨年と同じような事件が、いつまた起こるかわかりません」
キッズラインは補助金返還の負担についてこう回答した。
「補助金の返還要請につきましては、(シッター個人ではなく)当社が全額負担いたします」
繰り返されるキッズラインの不祥事。たとえお金を返したとしても、利用者や世間からの「信用」を取り戻すことは容易ではない。(取材・文=AERAdot.編集部・作田裕史)