新型コロナの収束が見えずに誰もが負担を感じているが、身の回りのサービスや生活用品の値上げも“待ったなし”だ。
【介護費、火災保険、水道代…2021年から始まる主な値上げはこちら】
高齢者などが利用する介護保険サービスは、4月から基本料が値上げになる。週2回の訪問介護を受ける場合は、月4990円から5020円へ、週3回の通所介護は同1万100円から1万200円へ変わる。
公共料金も上がる。例えば、水道料金。サービスを提供する自治体は、人口減で料金収入が落ち込むなか、老朽化した水道設備も改修しなければならないためだ。埼玉県川口市は1月から平均25%の値上げ、横浜市は7月から同12%の値上げに踏み切った。
足元では、電気代やガス代も上昇傾向だ。寒波などもあって、火力発電の原料となる液化天然ガス(LNG)価格が上がり、3月は東京電力や中部電力など大手7社が値上げする見通しだ。
銀行の手数料も値上げラッシュが続く。三井住友銀行は4月5日から、平日昼間のコンビニのATM手数料を110円から220円に引き上げる。それ以外の時間帯は330円となる。みずほ銀行は1月18日から通帳発行手数料を有料化した(70歳以上は無料)。新しくつくった口座は1冊当たり1100円が必要だ。埼玉りそな銀行は同日から、小銭やお札への円貨両替手数料を変更。これまで1日1回50枚まで無料対象だったが、10枚までに縮小した。
損害保険でも大手4社が1月、火災保険料を6~8%ほど値上げした。地震保険は、将来の災害リスクが高まったとして損害保険料率算出機構が基準料率を平均5.1%引き上げたため、各社が値上げ。最高14.7%上がったケースもある。
ファイナンシャルプランナー(FP)の丸山晴美さんは「高齢者ほど負担感は大きいはず」と懸念する。
「銀行の手数料の値上がりは、紙の通帳や店舗への来店を前提とした従来型サービスで多い。今までどおりに使い続けると、割高になるリスクが大きい。水道料金も、収入が限られると少しの値上げでもダメージは大きい」
水産大手のマルハニチロは4月から、サンマの缶詰4品目を1缶当たり30円値上げする。「さんま蒲焼」は参考小売価格230円が260円になる。サンマが記録的な不漁に見舞われて調達コストが上昇しているためで、昨春に続く値上げだ。
他にも2021年に値上がりするものは多い。東京女子医科大の学費や、東京ディズニーリゾートの料金など、まさに新型コロナが直撃して“価格転嫁”のようになったケースも目立つ。