「松下自身、自分の長所と短所について『鈍感力』とインタビューで明かしてましたね。『もっと疑わないと変な壺とか買わされるよ?』と言われたり、会話に自分だけ入れてないこともあるそうです。一方、自分の知らない間にトラブルが通り過ぎ、平和なままでいられることもあるとか。そんな、のんびりした性格にも好感を持つ人は多いのではないでしょうか」(同)

■「ゴチ」は俳優としての正念場になる

 穏やかでどこか天然な性格のようだが、一方で妙に謙虚なところがあり、そこがまた人気につながっているようだ。

「自分の信念について話していたことがあるのですが、ずばり『人に優しくいること』だそうです。前ばかり向くのではなく自分の足元も見て、周りのスタッフさんのことも考えながら、誰にでも優しくいたいと思っている、と。ブレイク中の今は話題性で注目されがちですが、性格がガツガツしてないところは将来的にはプラスになるでしょう。そして、誰からも愛される人間性を持っている。息の長い活躍が期待できると思います」(同)

 ドラマウォッチャーの中村裕一氏は、松下の今後についてこのように考える。

「俳優としてはまだ一般的な知名度は低いと言えますが、要所要所で光る演技と存在感を発揮しており、非凡な才能の持ち主であることがうかがえます。『ゴチ』メンバーに選ばれたのは意外でしたが、バラエティーの洗礼を浴びることで素顔や個性が引き出され、より多くの人たちから注目が集まり、お茶の間の認知度は飛躍的に上がるでしょう。ただ、多くの人の目に触れるということは、それだけ発言や立ち振る舞いをチェックされるということでもあり、ステップアップのチャンスでもある一方で、彼にとっては大きな正念場かもしれません。なによりも清潔感があり、誠実な性格の持ち主のようなので、キャリアを順調に積み重ね、事務所の大先輩である藤木直人のように、芝居も歌もしっかりこなせる独自のポジションを確立してほしいですね」

 常識的で真面目そうだが、決して堅苦しくはない松下。癒しが求められるこの時代にピッタリのキャラクターなのかもしれない。(丸山ひろし)

著者プロフィールを見る
丸山ひろし

丸山ひろし

埼玉県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集業務に従事。その後ライターに転身し、現在はウェブニュースや、エンタメ関連の記事を中心に執筆している。

丸山ひろしの記事一覧はこちら
暮らしとモノ班 for promotion
ヒッピー、ディスコ、パンク…70年代ファションのリバイバル熱が冷めない今