

替え歌メドレーやパロディーソングで知られるシンガー・ソングライターの嘉門タツオさんが、自身のYouTubeチャンネル「嘉門タツオ公式チャンネル」で配信したオリジナルソング「看護の現場の声を反映して歌ってみました」が医療関係者の間で話題になっている。コロナ禍で逼迫(ひっぱく)している医療現場。過酷な状況を憂えた歌詞は共感を呼び、静かに波紋を広げている。
【写真】ナイチンゲール紀章も受章した嘉門さんの伯母さんはこちら
「正直、これほど反響があるとは思ってもいませんでした。人気ユーチューバーほど視聴数がドカンとアップするわけじゃありませんが、日に日に伸びてます」
動画は1月中旬に配信され、2月5日時点で2万6千回を超えた。
♪僕の母の姉は 長年看護の仕事に携わってきた ナイチンゲール紀章も受章した川嶋みどりです♪
で始まる曲は、医療現場の過酷な現状をストレートに伝えている。
♪コロナ専門のICUでは 重症患者に装着した人工心肺装置が安定して作動すると医師は病床を離れますが 看護師は容体を見ながら見守り続けます。そんなレッドゾーンでは水も飲めないし 防護服の着脱に時間がかかるので トイレに行くのもままなりません♪
「曲を作ろうと思ったのは、新聞に掲載された伯母のインタビュー記事を読んだからなんです。その内容にショックを受けまして、これは歌にせないかんな、と。僕なりの使命感ですね」
嘉門さんの伯母、川嶋みどりさんは、1951年に日本赤十字女子専門学校(現日本赤十字看護大学)卒業以来、看護師として看護教育に携わってきた第一人者。2007年には看護師が受ける最高の名誉であるフローレンス・ナイチンゲール記章を受章した。これまでの著作は130冊を超え、89歳の今もなお、「看護とは何か?」を研究している。
川嶋さんが言う。
「タツオさんが歌にして配信してくれたことで、看護の現場で実際に起きていることを、より多くの人にわかってもらえるので、ありがたいです」
通常は専門業者がしている室内清掃やシーツ交換が“何でも屋”のように看護師が代行している▽感染者の患者がいるレッドゾーンにいる時間が長時間に渡るだけではなく、規則などで制限されていない▽看護師の低すぎると思われる待遇――。
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