多くのエリートを輩出する東京大学。日本の最難関大学に合格する人たちは、一体どんな家庭で育ってきたのだろうか。今年の東大合格者152人を対象にアンケートを実施した。
「父親の職業」を聞くと、会社員が73人、会社役員も9人おり、サラリーマン家庭が多かった。次いで自営15人、公務員13人。親が医師と答えた8人のうち6人が理III(医学部)の合格者だった。
一方、「母親の職業」は無職(専業主婦)が回答のほぼ半数の53人にのぼった。次いでパート29人、会社員と教員がそれぞれ9人のほか、自営と公務員が各6人。全国平均より専業主婦率が高い。大学コンサルタントの後藤健夫氏はこう話す。
「東大合格者は私立中高一貫校出身者が多いですが、そうした学校に合格するためには、中学受験塾の膨大な予習・復習が必要で、小学生は母親の手助けが不可欠です。子供の中学受験のために、母親が仕事を辞める例はかなり多いです」
「小学校時代の習い事」(複数回答)を聞くと、約9割が習い事をしていたと答え、一番人気は、水泳(66人)だった。次いでピアノ(53人)、英語(39人)と続く。『お子様おけいこごと事情』(岩崎書店)の著書がある教育ジャーナリストの杉山由美子さんは、こう語る。
「子供に習い事をさせている家庭は、一般的には6~7割です。東大合格者の家庭は教育熱心な親が多いから、9割は当然でしょう。スイミングは体力がつきますし、小学校の体育の授業のときに泳げないと恥ずかしいので、習わせる家庭が多いですね」
教育熱心な家庭に育ち、存分に勉強して栄冠を勝ち取った合格者たち。「将来やりたい仕事」を聞くと、学者や公務員、医師など社会に貢献する仕事を挙げる人が多かった。ぜひ、実りの多い大学生活を送り、夢をかなえてほしい。
※週刊朝日 2013年4月19日号