一方で、コスプレイヤーグラビアに関して「ブームは短命に終わる」とという指摘も。芸能事務所の関係者は言う。

「InstagramやTwitterでコスプレを披露するレイヤーは現在、たくさんいます。一方で消費されるのも早く、グラドル化したとたん、ファンが離れたりするので入れ替わるサイクルが早い。雑誌側も自らSNSを駆使して、次なるスターを探していますよ。事務所に所属した子たちはさらに、PR系の仕事などがはいってきていて、もはやグラドルとモデルの垣根はありません。むしろアニメやゲームに造詣が深いというアピールポイントを持っているので、海外関連の企業とのコラボやアジア圏のイベントへの出演なども、下手なモデルよりオファーが多い印象です」

 エンタメウォッチャーの中村裕一氏は、そんなグラビア界の流れについてこのように分析する。

「それこそ1980年代は松田聖子や中森明菜といった歌唱力に秀でた現役バリバリのアイドルも水着姿を雑誌で披露していましたが、時代が移り変わると共にその役割も細分化され、マンガ誌や週刊誌のカラーページを飾るのは抜群のプロポーションやセクシーさを誇る『グラビアアイドル』へと引き継がれていきました。2000年代に入るとAKB48グループに代表されるように、グループアイドル群雄割拠時代に突入。その中から多くの逸材が生まれてきましたが、昨年のAKB48の紅白落選に象徴されるように、今はまさに過渡期と言えるかもしれません。そんな中、台頭してきたコスプレイヤーたちですが、彼女たちはいかに自分を美しくセクシーに見せるかというセルフプロデュースやテクニックにもともと長けており、現在のようにグラビアを席巻するのは必然的だったと言えます。これから先はさらにその流れが加速し、事務所の力を借りずにSNSでの圧倒的な人気と知名度を武器に雑誌で活躍する、ハイブリッドなグラビアアイドルが当たり前のように出てくるのではないでしょうか」

 芸能界では一方で、深田恭子や宮崎美子など“若手”以外のグラビアが注目されることも多い。AKB系のアイドルグラビアの凋落や人気グラドルの不在で、伝統あるマンガ誌や青年誌のグラビアはこれから、どう変化していくだろうか。(今市新之助)

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