左表紙から桃月なしこ、火将ロシエル、えなこ、とコスプレイヤーたちでにぎわう(写真はイメージ)
左表紙から桃月なしこ、火将ロシエル、えなこ、とコスプレイヤーたちでにぎわう(写真はイメージ)
えなこの千葉県成田署での一日署長姿(C)朝日新聞社
えなこの千葉県成田署での一日署長姿(C)朝日新聞社

 10年以上もグループアイドルブームが続いたことで、マンガ誌や青年誌のグラビアは長年にわたってアイドルが“占拠”してきた。特にAKB48グループは、水着グラビアによるメディア露出を積極的に行い、数々の無名メンバーをフックアップしてきた。一方、姉妹グループの坂道系も、当初は清楚なイメージを売りにしていたため、水着グラビアを披露することは少なかったが、個別の写真集では「これでもかと」というほど水着グラビアが掲載されるように。ファンの飢餓感をあおり、写真集を買わせるという手法が変わっただけだった。

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 こうしたアイドルたちの勢いはすさまじく、一時期はすべての雑誌のグラビアにアイドルグループのメンバーが出演するほどの事態に。これまで雑誌のグラビアを主戦場にしてきたいわゆるグラドルたちは、活動場所を奪われてしまった。

「例えば、AKB48では2015年に発売された小嶋陽菜の写真集『どうする』(宝島社)が約11万部超売れたことを始め、渡辺麻友『まゆゆ』(11年/集英社)が約10万部、前田敦子の『不器用』(12年/小学館)が約11万部代前半と出版不況でしかも写真集というジャンルの中で圧倒的に売れていた。また乃木坂46では白石麻衣の『パスポート』(17年/講談社)が、約44万部という驚愕の数字を叩き出しニュースをさわがせました。続いて生田絵梨花の『インターミッション』(講談社)も約31万部。欅坂を卒業した長濱ねるをいち早く有名にした『ここから』(17年/講談社)も約20万部で話題となりました。人気メンバーの写真集はドル箱が確実で、どの出版社が誰の写真集を手掛けるのを事務所が差配していましたね。名前が挙げた人気メンバーでなくても、数万部は売れるので大手以外の出版社もなんとか食い込もうとしていました」(アイドル雑誌の編集者)

 だが時は2021年――昨年AKB48が紅白歌合戦の出場を逃し、乃木坂46もメインメンバーが続々と卒業するなど、アイドルのグラビアにはかげりが見えてきた。今後、グラドルたちの露出が復活することはあるのだろうか。

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従来型グラドルは消えつつあり…