演出家であり脚本家の河原雅彦氏は、毎年手もとに届く東宝芸能所属タレントのカレンダーが大のお気入りだという。

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 年に一度、仕事関連の東宝株式会社さんからカレンダーが送られてくる。主に東宝芸能所属の美人タレント達がその月々にフィットした衣装に身を包み、世代を超えてそれぞれフォトジェニックな魅力を披露しているわけだが、そのカレンダーはわりとでっかく、部屋に飾るとかなり主張が激しい。場末の酒場にいるような錯覚を起こす勢いだ。だが、自分は大変有り難く使わせていただいている。

 聞けば、同業者の男性クリエーターにもそのファンは多く、たまにこの話題で盛り上がったりする。

 例えば、舞台のキャスティングなんかを考える時、「誰か、この役に合った女優さんいないかなー」と、ついついカレンダーをめくってしまう。見事に東宝さんの営業戦略に引っかかっているのだな。おそらくこのカレンダー作りは、社を挙げての重要な恒例行事なのだろう。そんなこんなで、今回は2013年東宝カレンダーの魅力を敬称略で多いに解説していきたい。

 まずはいきなりの大物・沢口靖子が登場だ。白地に青の着物で京風桟橋をバックに清純な微笑みを浮かべる彼女を眺めていると、マジで毎日があけましておめでとう気分にさせられる。トップバッターに相応(ふさわ)しい貫禄の立ち姿だ。そして翌月は純白の雪山に立つカジュアルな大塚千弘……と、この調子で解説をしているとあっと言う間に文字数が尽きてしまうので、個人的なベストマンスを紹介しようじゃないか。

 とはいえ、こればっかりは毎年不動。8月の野波麻帆だ。

 多くの清純派が占める東宝カレンダーにあって、エキゾチックな彼女だけが毎回超セクシーなビキニでキメてくれる。3月の水野真紀、4月の戸田恵梨香といった安心感溢れる美女達を経ての野波麻帆だからして、こいつはマジでパンチがある。全裸でもないのにこの流れで彼女が現れると、突如東宝カレンダーはR指定と化す。

 今年もシルバーのビキニで砂浜に横たわり、濡れ髪に女豹のような眼差しで挑発的にこちらを見つめており、使用者としてはこの月に限りカレンダーとしての機能を思わず忘れ、ただただ「ごちそうさま」と朝な夕な彼女に語りかけてしまう。しかも本人がスタイリストを務めておるわけで、毎年そのビキニは私物なのだ。もはや関取でもないのに「ごっつあんです!」と勝手にロが動いてしまっても仕方がないだろう。

 で、以前、当の本人に「東宝カレンダーの麻帆ちゃん、毎年楽しみにしてるの」と伝えたところ、「水着になれば事務所の人に毎年沖縄に連れて行ってもらえるんですぅ」と無邪気に語ってくれまして。昨年めでたく妊娠を発表した彼女だが、どうか東宝さん! 俺の8月の楽しみを途切れさせることなく、首に縄をかけてでも、今年も麻帆ちゃんを沖縄に連れて行ってあげて下さい! お腹ぽっこりでも彼女なら絶対ビキニいけますって!

 あ、首に縄……それでビキニって……なんだか超エロいわ。俺の勝手な妄想だけど、ごっつあんです!!!

週刊朝日 2013年4月26日号