作業は約10日間に及んだという。いま、報道されている問題の疑惑の焦点は大きく分けて、3つある。
(1)アルバイトを動員してリコール署名を偽造したのか?
(2)(1)が事実なら、誰が指示したのか?
(3)アルバイトに書き写させた名簿は誰が提供したのか?
高須氏は22日の記者会見でリコール署名に至った経緯をこう説明した。
「もともと河村氏から『高須さん、リコールせんかね』と連絡があり、お手伝いします、あらゆる協力しますと返事をしました」
さらに署名偽造への関与は全面的に否定した。
「僕が代表です。署名はあるがまま(選管に)提出せよと指示していた。(署名偽造とは)何の関係もありません。佐賀県は1回ヘリコプターで行ったことがあるだけ」
「こんな貧乏たらしいことをするわけがありません」
記者会見に同席していた署名活動の事務局責任者、田中事務局長は当初、「九州の方で署名簿がつくられたのは確認している。佐賀県で間違いない。だが、事務局がアルバイトを雇ったこともなく、指示していない」と関与を否定していた。
だが、記者会見では「不確かなことを話した」と訂正。「佐賀の業者は知りません、発注書は出していません」と重ねて否定した。
あいちトリエンナーレだけではなく、様々な局面で大村氏と対立してきた河村氏の関与はあるのか?本誌の直撃にこう主張した。
「署名偽造をするなんて、想定外のことだ。そんなことをするなんて信じられん。ワシが発注するなんてありえません」
河村氏は10年前に名古屋市議会のリコール署名活動を展開し、リコールを成立に持ち込んだ実績がある。その際、約46万人の署名を集めた。その署名簿が今回の署名偽造に使われたのではないか、との指摘もある。その疑念をぶつけると、こう答えた。
「うちは厳重にデータを管理していたので、外部に漏れることは絶対、なやぁでよ。名古屋市議会リコールは名古屋市内だけが対象。今回は愛知県知事ですから愛知県の市町村全体だわ。それにうちが聞いた情報だが、佐賀県で書き写された署名簿のデータは、例えば愛知県名古屋市〇〇区1丁目1-1という住所に名前がある。次は○○区1丁目1-2、その次は1-3というように住所がきれいな順番だったそうだわな。うちのデータではそのようにはなっていない」