「用具を大事にしてくれる。川崎クラスの選手なら、メーカー側として最大限のサポートをする。少しでもギアに違和感があったりすれば、すぐに修理交換できる体制。でもよほどのことがない限り、気に入ったグラブやバットを自ら手入れして使ってくれる。わがままを言うこともないし、販促のための協力も惜しまない。これだけ手のかからない選手も珍しい」(用具メーカー担当者)
本人曰く根っからの「野球小僧」。結果を出し知名度がある現在でも、野球への真摯な取り組み方は変わらない。「もっと上手くなりたい」という気持ちを持ち続け、他選手にもどんどん質問や相談を持ちかける。24時間、野球のことを考え続けている。
「野球選手として尊敬できる部分があれば、積極的に話を聞きに行く。自分が上手くなるためなら何だってやる。物おじしない性格もあるが、年上でも下でも関係なく疑問をぶつける。イチローを敬愛するのは周知だが、会った時には技術からメンタルまで質問攻め。イチローもそんな川崎を認めているし可愛くてしょうがない。メジャー時代もチームに早々と受け入れられたのは、明るさだけでなく向上心や勝利への執着心も伝わったから」(在米スポーツライター)
「無理をしているような時もあった。存在感の大きさが分かっているので、弱音を見せないようにしていた。調子が悪い時はいつも以上に声を出していた。居残り練習をやっている時、深く悩んでいる様子を見た人も多い。それでも頑張っているから誰もが慕う。一時期、グラウンドを離れたのも少し疲れたのだろう。現在はその分、元気が増したらしいですけどね」(ソフトバンク関係者)
絵に描いたようなムードメーカー。どこへ行ってもチームの太陽のような存在となったが、川崎も人間であり疲れた時もあった。自律神経系の病気発症は燃え尽きの1つでもあった。公私で周囲への気配りを欠かさなかった代償なのかもしれない。
「米国時代は年齢が一回り以上離れた選手とも一緒にやった。年代差のギャップもあっただろうし、そもそも言葉も満足に話せない。それでも自分からふざけたり、ピエロ役になって盛り上げた。マイナーリーグでは自分から声をかけて食事会を開き、全員分を負担したこともあったという。結果が求められる中、本来は自分のプレーのみに集中したいはず。そこでも自分自身を犠牲にして献身性を発揮できる。こういう選手は米国にはいない」(在米スポーツライター)