見逃せないのが、ドラッグストアや薬局でもらったレシートだ。年間の医療費が10万円を超えると、確定申告で払いすぎた税金が戻ってくる。

 たとえ年10万円に達していなくても、「スイッチOTC薬」と呼ばれる市販薬の購入額が、1年で1万2千円を超えたら確定申告すると超過分の税金が戻る。セルフメディケーション税制という制度だ。スイッチOTC薬かどうかはレシートや薬のパッケージで確認できる。レシートは大切に取っておこう。

 年賀はがきも用が済んだからといって捨てるのはもったいない。未使用や書き損じのはがきは1枚5円の手数料を払うと切手やはがきと交換できる。

 埋蔵金はほかにもある。巣ごもり生活で通信費が家計を圧迫している人も多いのではないか。格安携帯に切り替えれば、たとえば月1万円近くから数千円台に下がることもある。使っていたスマートフォンも売れれば、ダブルでお得になる。ファイナンシャルプランナー(FP)の長尾義弘さんは、こう振り返る。

「夫婦そろって格安携帯に替えるため、iPhone(アイフォーン)を専門業者に買い取ってもらいました。下取りの値段は同じ機種二つで計1万2千円前後。このうち一つに大きな傷がなければ、もう少し高く売れたかもしれません。iPhoneならアップルストアのほか、中古品の買い取り業者もあります。ほかのスマホも、携帯ショップで下取りすることで買い替え品が安くなる仕組みもあります」

 FPの丸山晴美さんは、家にいる時間が増えた機会を使って大掃除することを勧める。

「机やタンスの引き出しの中に未使用だったり残額が残っていたりするクオカードや商品券が見つかればもうけもの。MD(ミニディスク)プレーヤーや携帯型育成玩具『たまごっち』といった昔はやった商品や、定年後に着る機会が少なくなったスーツなどは、メルカリやラクマなどのフリマアプリを通じて売れることもあります」

(本誌・池田正史)

週刊朝日  2021年3月12日号

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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