新型コロナウイルス感染拡大の影響で仕事の収入が減り、家計が厳しくなっても、あきらめるのは早い。ウチにあるものを見回すだけでも“意外な埋蔵金”があるものだ。3月12日発売の『あなたのウチの埋蔵金 リスクとストレスなく副収入を得る』(朝日新書)の著者で、経済ジャーナリストの荻原博子さんら専門家に見つけ方を聞いた。
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「テレワークが増え、残業代も出なくなって、手取りの収入は減りました。春には次男と長女がそれぞれ高校、中学に進学するので出費もかさみます。会社で副業は認められていませんが、こっそりアルバイトでもしないと……」
東京都内に住む40代の男性はため息をつく。3人の子どもは手がかからなくなってきたとはいえ、家事を一手に担う妻がパートで長時間、家を空けるのは難しいという。来年は長男が大学受験を迎える。家計はさらに厳しくなりそうだ。
荻原さんはこう話す。
「外出の機会も減って気分もめいりがち。でも、ウチの中でやれることは多い。前向きに構えると、見えてくるものもあります」
荻原さんが検討する価値があるとして挙げるのは、今入っている保険だ。いったん入ったら、そのままにしている人が多い。年齢やライフスタイルの変化に合わせて見直すと、毎月払う保険料の節約にもつながる。減った分は、毎月の生活費の足しや老後の蓄えなどに回すこともできる。
荻原さんによれば、貯蓄性の保険を「払い済み保険」にする手もある。払い済み保険とは、保険料を払わずに保険に入り続けられる仕組みだ。保険をやめたときにもらえる解約返戻金を保険料に充てることで、今より保障額は小さくなるものの、今までと同じ期間保障を残したままにできる。
利回りが高いときに入っていた貯蓄性の保険は、預けたお金が増えていることが多い。このため払い済み保険の保障期間が終わった後にお金が戻るケースもある。荻原さんが説明する。
「その場合、新たな元手なしに一時金が手に入り、保障も継続されます。『埋蔵金保険』ということもできます」