■学会が定めた指導医や手術数などで病院探しを

 よりよい選択のため、病院をどう選べばいいのだろう。分かりやすい指標の一つが、手術経験数などの要件を満たした医師が認定される制度。整形外科医が中心の日本脊椎脊髄病学会と、脳神経外科医が中心の日本脊髄外科学会がそれぞれ指導医を定めている。各公式サイトで公開されているが、本誌ではデータ表の医師名欄で認定の有無を示している。さらに、整形外科と脳神経外科の両領域からなる脊椎脊髄外科専門医制度もある。

 次に、手術数も目安の一つになる。自分の病気の手術を多く実施しているか、確認してみると良いだろう。

「特に除圧固定術を受けると、手術をした部分の隣の関節が悪くなりやすく、病院とは一生のお付き合いになります。自宅になるべく近い病院で、ある程度の手術数を実施している病院がいいと思います」(山崎医師)

 また、術後のことも考慮して病院を選びたい。

「手術は魔法ではありませんので、術後に少しは症状が残ります。それに対して、病院側がきちっとフォローをしているかどうかは大切です。医師やその病院で手術を受けた人に聞き、術後についても確認しましょう」(小西医師)

 ランキングの一部は特設サイトで無料公開しているので参考にしてほしい。「手術数でわかるいい病院https://dot.asahi.com/goodhospital/

【医師との会話に役立つキーワード】

《神経の圧迫・狭窄》
背骨(脊椎)の中には、脳からの大事な神経「脊髄」とそこから枝分かれした「馬尾」が通っている。加齢による骨などの変形によりここが圧迫されると症状が起きる。この圧迫された状態を「狭窄(きょうさく)」という。

《間欠跛行》
長距離を続けて歩行できず、少し歩いては休憩することを繰り返す症状。その歩ける距離には大きな個人差がある。腰部脊柱管狭窄症の特徴的な症状だ。

【取材した医師】
長崎労災病院 院長 小西宏昭医師
新潟中央病院 院長 山崎昭義医師

(文/小久保よしの)

※週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2021』より