東大と京大の合格発表が3月10日にあり、東大は2993人、京大は2724人が喜びの春を迎えた。入試分析や高校の合格者数を紹介する。
正午になると、東大赤門前には受験生たちが集まっていた。新型コロナウイルスの感染拡大で今年も掲示板での合格発表はなくなり、ホームページ(HP)での発表となったが、そのHPを東大で、スマートフォンなどで見るためだ。大きくうなだれる受験生がいる一方で、静かに喜びをかみしめる合格者がいた。
赤門前に来た川和(神奈川)3年の青山勝繁さんは理科二類を受験した。落ちたら、東京観光をして帰宅する予定だった。結果は合格。
「周りの目が気になったので大きな声を出せませんでしたが、家に帰ったら喜びの声を思い切りあげたいと思います。東大では野球部に入りたい。神宮球場で、甲子園に出場したような選手たちを相手に野球ができることを目標にしています」
2浪の末、合格を勝ち取った受験生もいた。千葉県在住の男性(20)は、慶應義塾大理工学部で「仮面浪人」をしてきた。昨年、数点差で不合格となり、諦めきれなかった。男性も理科二類に合格した。
「親が最初から最後まで応援してくれたのが大きい。親に合格を伝えたら、『心配していなかった』と言ってくれたが、自分はとても不安だった。合格を伝えられて、ホッとしています」
今年も国公立大前期日程の合格者が出そろった。まずは東大の合格者数ランキングを見よう。
1位は144人で開成(東京)。このままトップになると見られており、そうなれば1982年から40年連続で1位だ。コロナ禍でもオンライン授業を4月から実施し、生徒らも自主的に勉強に取り組み、授業が遅れることはなかったという。
公立校も健闘している。日比谷(東京)は63人で昨年より23人も増やした。60人を超えたのは1970年の99人以来だ。横浜翠嵐(神奈川)は49人で23人増、県立浦和(埼玉)は46人で13人増、岡崎(愛知)は31人で12人増だった。