「海外で現地の客を相手に仕事をしている風俗業の日本人女性はまだまだ少なく、人気が高いのにレアで、いわばブルーオーシャン。効率よく稼げるし、今の仕事を続ける上では、これ以上ない働き方で気に入っています」(同)

 今、「日本より海外のほうが稼げる」と、海を越えて“出稼ぎ”をする性風俗業の女性が出てきている。海外で働くには、就労ビザが必要となるが、性風俗業で出稼ぎをする場合、現地で働くことを伏せた上で観光ビザなどで入国し、短期間働いて帰国するか、別の国に移動する例が少なくない。中には、表向きには別の仕事で就労ビザを得て入国し、入国後に副業的に性風俗の仕事をする人もいる。

 背景には、バブル崩壊以降、“失われた30年”と呼ばれる景気停滞が尾を引く日本の現状がある。「海外のほうが稼げる」と海を渡る例は、性風俗業に限った話ではないが、出稼ぎを選んだ性風俗業の女性たちに話を聞くと、「稼ぐためには“数”をこなすしかない日本の風俗業に限界を感じた」「店に決められた枠内で、マニュアルどおりに仕事をすることを求められる日本の風俗業の働き方に違和感を感じた」といった声が多く聞かれる。SNSなどで、世界中の個人同士が簡単につながることができる今、あえて以前から続く日本の風俗業界のシステムに即した働き方をしなくても良いと考えているようだ。実際にSNSなどオンライン上には、海外で性風俗の仕事をしている日本人女性の姿がちらほら見られる。

 自身も風俗業界で働いた経験を持ち、性風俗業で働く当事者らを支援する団体「SWASH」で代表を務める要友紀子さんは言う。

■オンライン面接で海外でも手軽

「性風俗業の日本人女性が海外に出稼ぎに行く動きは、10年ほど前から少しずつ見られています。私たちの団体も、これまでは海外から出稼ぎに来る女性たちの相談が多かったのが、最近は日本から出稼ぎに行った方が現地でトラブルに巻き込まれるなどして相談が来るケースが出てきています。彼女たちは日本で稼げなくて生活に困っているというよりは、本気で稼ぎに行っている人が多いように感じる。だから精神的にも相当タフで、行動力のある人が多い印象です」

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