「そうした振る舞いを見ると、単純にいい人なのでしょうね。1月に39歳の誕生日を迎えた時は、SNS上での祝福の声に対し自身のインスタグラムのストーリーで、『いいから明日に備えて体調整えて早く寝ろよ こんな事のために夜ふかしするんじゃないよ まったく』『全部ひっくるめて そんなみんなが大好きだ馬鹿野郎』とつづっていました。そんな感謝の仕方にもいい人感がにじみ出ていますよね」(同)

■好きな女性のタイプは「穏やかな人」

 そして、最近では結婚願望を口にしたこともあり、ファンを騒然とさせているという。

「結婚について、『考えるだけで楽しくなる』と昨年11月に放送されたトーク番組で明かしていました。仲の良い俳優たちが結婚して父親となり、彼らの笑顔がどんどん魅力的になっているのだとか。ちなみに、好きなタイプは『穏やかな人』だそうです。綾野といえば役の幅が広く、時にはコワモテも演じます。それでいて、芝居をしていない時は『いい人』というのは、好感度上がりますよね。役者は慣れないバラエティ番組に出ないほうがいいという意見もありますが、綾野の場合はプラスに働いていると思います」

 ドラマウォッチャーの中村裕一氏は、そんな綾野の魅力についてこのように語る。

「デビュー作である『仮面ライダー555』(2003年)でも、わずかな出番ながらすでに他とは違う雰囲気をまとっていたのがとても印象的でした。これまでのキャリアを振り返っても、硬い役から柔らかい役まで、どんな役も自在に演じることが可能で、欠点が全く見当たりません。特に信念を持った切れ味の鋭いキャラクターを演じさせれば随一で、彼が出ているだけで安心して見ることができます。まさに、今の日本を代表する俳優の一人と言っても過言ではないでしょう。確かに近寄りがたい“孤高の人”というイメージがありますが、これだけ多くの作品に主演・出演し続けるということは、人間的な魅力にあふれていることは間違いありません。あえて言えば舞台経験が少ないことくらいですが、順調に年齢を重ねていけば、芝居や表情にも相応の渋みが増していくでしょうし、何の問題もないと思います。これからもその活躍を見届けていきたいですね」

 今やドラマや映画に欠かせない存在となった綾野。演技力の高さは誰もが認めるところだが、その人間性に関して改めて魅力に気付いたという人も多いのではないか。40代に入っての演技も楽しみでならない。(丸山ひろし)

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丸山ひろし

丸山ひろし

埼玉県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集業務に従事。その後ライターに転身し、現在はウェブニュースや、エンタメ関連の記事を中心に執筆している。

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