そもそも5年ほど前は、総務省は「国民の大半が小容量プランを利用している」として、携帯各社にデータ通信量が少ないプランの値下げを要請していた。ただ、現時点では大手3社の新プランは既存の小容量プランよりも安いという「逆転現象」が起きており、小容量プランのままでいるよりも新プランにしたほうが価格面では得といういびつな状態にある。

 KDDI(au)とソフトバンクは、UQモバイルとワイモバイルという両社のサブブランドで、小容量プランの値下げを実施している。UQは3GBで1480円、ワイモバイルも3GBで1980円と新プランほど多くのデータを使わない人をサブブランドで取り込む戦略だ。UQとワイモバイルは、後述する格安スマホ事業者が時間や場所によっては通信速度が遅くなるのと違い、通信品質が大手並みなのも特筆すべき点で、「あまりデータ通信を使わない」という人は、こちらも選択肢だ。

 一つ注意したいのは、新プランやサブブランドに乗り換えると、「@docomo.ne.jp」など携帯電話会社名が入った「キャリアメール」が使えなくなる点だ。すでに「Gmail」などのメールサービスが普及しており、キャリアメールが使えないことはあまりデメリットにならないようにも思えるが、実は意外な落とし穴が。オンラインの様々なサービスで、メールアドレスをIDとして登録している人は多く、アドレスが変わることで思わぬサービスが使えなくなる可能性がある。

■4月7日までなら安い

 料金プラン比較ですぐに気付くのが、楽天モバイルの安さだ。データをたくさん使う人から使わない人まで、どのパターンでも今回比較した中で最安値。まさに、「使っても使わなくても安い!」とテレビCMで強調している通りに見える。

 安さの理由は、4月7日までに契約すれば1年間はデータ通信は完全に無料で、音声通話も専用アプリを使えば無料というキャンペーンだ。さらに契約から1年経った後も1GBまでは0円、1~3GBは980円、3~20GBは1980円、20GB超は無制限で2980円と、大手3社の新プランを意識して更に安く設定されている。

 ただ、安さの半面、注意点や懸念も多い。

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