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忙しい毎日に加え、春は不安定な天候や生活環境の変化などで緊張や不安、ストレスなどを抱えがちです。精神的に落ち着かない状態が続くと、自律神経の乱れや心身の不調につながります。心身を整えるために効果的なケアを、自律神経研究の第一人者である小林弘幸先生に聞きました。Q&A形式でお届けします。(セルフドクターWebより転載)
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■Q:最近、体がだるくて気力がわきません。何かの病気でしょうか?
自律神経は、内臓の働きや血管、呼吸などをコントロールしている神経で、交感神経と副交感神経の2つがあります。この両方が互いにバランスを取り合いながら、心身を調節しています。
しかし、年齢を重ねると共に自律神経の働きは衰えてきます。近年の研究では、特に副交感神経の働きが低下してくることが分かってきました。これには、ストレスはもちろん、運動不足や性ホルモンの影響など、様々な要因が関係しています。副交感神経の働きが低下し、交感神経が優位な状態が続くと、血管が収縮したままで血流は悪化。このように、自律神経の乱れによる血流障害が、「だるい」、「気力がわかない」といった“疲れ”を招くのです。
●自律神経のバランスをセルフチェック!
当てはまる項目をチェックしましょう。
■Q:春は過ごしやすい季節なのに疲れやすいのはなぜ?
不安定な天候になりがちな春は、転勤や転居など、環境が変わることも多い時期です。また、環境の変化に慣れてきた頃に大型連休があり、生活のリズムを崩してしまうことも少なくありません。
このような気温・気圧の変動や環境の変化、生活のリズムを崩すことも自律神経を乱し、疲れを招くのです。連休明けにやる気が出ない、だるいなど、“五月病“を訴える人が増えるのも、こういった要因が関係しています。
休日であっても起床・就寝時間や食事の回数を変えないようにするなど、生活のリズムを崩さないようにすると自律神経は整いやすく、五月病の予防にもなります。また新緑などの四季の自然に触れると心が落ち着き、乱れた自律神経を整えるのに効果的です。