政府は緊急事態宣言に準ずる対応が可能な「まん延防止等重点措置」を大阪、兵庫、宮城の3府県に初めて適用することを決めた。
東京など首都圏より先に緊急事態宣言が解除された大阪だったが、3月中旬から新規感染者数が増加。3月31日は599人、4月1日が616人と急増。600人を上回るのは、2回目の緊急事態宣言が発出中の1月16日以来だ。
とりわけ、大阪府や兵庫県で目立つのが、より感染力が高いとされる新型コロナウイルスの変異株の新規感染者の増え方だ。3月31日現在で大阪府は130人、兵庫県が181人と日本で一番多い。
現在、全国をまわっている東京オリンピック・パラリンピックの聖火リレーが4月14日に大阪市内で実施される予定だったが、大阪府の吉村洋文知事は「まん延防止等重点措置」の適用で中止を訴えている。
「新規陽性者数が東京でも大阪でも逓増していくことは、宣言解除時に既に分かり切っていたことです。ただ、吉村さんは大阪は解除を前倒し、リバウンド対策に失敗しましたね。大阪は想定以上、早く増えました。吉村さんは“まん防”適用に動きましたが、迅速な対応に見えつつ、タイミングは遅かったですね。実は昨年11月末の時短開始も、12月16日の時短強化も、実はステージIVに入ってから決断していて、いつも大阪は東京や北海道に比べて遅い。聖火リレー中止報道も吉村マジックで実際には組織委が策定している緊急事態の対応方針の中で『緊急事態宣言やその他、県独自の規制、不要不急の外出要請が出ている場合にはリレー見合わせ』と既に決まっているはずなのに、あたかも自らの政治決断かのよう演出しています」(官邸に近い政府関係者)
大阪で聖火リレーに走ることを予定していた人はこう表情を曇らせた。
「一生で一度しか経験できないこと。走れると楽しみに胸を躍らせていた。しかし、これだけコロナの感染がまた広がってくると仕方ないわな…。残念です」