ショートでは首位発進。「曲を感じ取りながら表現している」と語った (c)朝日新聞社
ショートでは首位発進。「曲を感じ取りながら表現している」と語った (c)朝日新聞社
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 フィギュア世界選手権では、羽生結弦の一挙手一投足に世界から注目が集まった。試合を通して何を語ったのか──。AERA 2021年4月12日号では、ショート後とフリー後、それぞれの彼の言葉を追った。

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【2021.3.25 ショート後】

――この曲だからこそ生まれるフィギュアスケートとは。

僕自身、すごくこの曲を感じ取りながら、そして、その曲が持つエナジーだったり、そういったものを、腕だったり、スケートだったり、ジャンプだったり、体全体に行き渡らせて表現してるので、それがやっぱりこのプログラムの魅力かなって、すごく思っています。あとはまた、振り付け一つ一つに、今回はお客さんがいないので、なかなかコネクトすることは難しいですけれども、一つ一つに、お客さんとつながるような振りが多くあるので、それもまた、このプログラムの魅力だなというふうに思います。

――初日の公開練習のあとに言っていた「いろいろ思うことがあって」はどういう思いでしたか。その思いは日本に置いてきましたか。

その気持ちは持ち込んでここに来てると、自分は思っています。全日本のときから、じゃあ変わったかっていわれたら、まああんまり変わってないかなっていう気もしなくはないですし、実際、まあ自分の故郷であるっていうか、自分が住んでいる、その仙台とか宮城では、今すごく感染者が増えている状況なので、すごい心配はしています。

ただ、ここの現地に来て、やっぱりスケートを滑るからには、きょうみたいな演技だったり、またあした、あさってか、フリーだったり、エキシビがあればなんですけど、エキシビションとかでも、その、何かしら、僕がここの世界選手権で、この地で滑った意味っていうものを見いだしたいなというふうには思ってます。もちろん、みなさんが見てくださって、何かしら感じてくださることは、すごくうれしいですし、そういうものにしたいなという気持ちもあるんですけど、最終的に僕自身が、ここで滑った意味を感じられるような演技を目指して頑張りたいなというふうにも思っています。

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