映画業界では、邦画が強く、洋画に元気がないと言われ続けています。映画の人気を示す興行収入を比較した場合、邦画の比率を6とすると、洋画は4に留まるそうです。
なぜ、邦画と洋画にこれほどまでの差が生じているのでしょうか。その答えのヒントが、昨年の邦画興行収入ランキングトップ10の中にありました。なんと、73.6億円の興収を記録した1位の「BRAVE HEARTS 海猿」や2位の「テルマエ・ロマエ」、4位の「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」を含む7作品が「漫画」を原作にした作品だったのです。
映画1作を製作するには、数億単位の金額が必要です。必ずやヒットをさせなければ、莫大な損失を被ることを考えると、すでにファンがついている漫画作品の映画化が、最も確実なヒットの狙い方なのでしょう。
誰しもが、夢想する好きな漫画作品の映画。日本での歴史は意外にも古く、諸説ありますが、1937年にまでさかのぼります。初めての漫画原作の映画は、朝日新聞東京版で連載されていた横山隆一さんの「江戸っ子健ちゃん」でした。同作の主人公・健ちゃんを演じたのは、なんと「昭和の喜劇王」エノケンこと榎本健一。後に漫画家として初めての文化功労者に選ばれる横山さんですが、その代表作となったキャラクター「フクちゃん」は「江戸っ子健ちゃん」では脇役の扱い。健ちゃん以上に人気が出てしまったために、フクちゃんは今でいう「スピンオフ」の形で主役に昇格したのだそうです。
2013年も、長澤まさみ、岡田将生主演の「潔く柔く」や、佐藤健主演の「カノジョは嘘を愛しすぎている」、ギャグ漫画「男子高生の日常」などの映画化が予定されています。原作の漫画も、映画もどちらともまとめて楽しみたい人には、本も映像も読み放題、見放題のauスマートパスなどのサービスが用意されています。スマホ片手に、映画と原作の違いを比べるなどという楽しみ方も出来そうです。
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