林:水商売業界のみなさんは本当に大変だと思いますよ。お客さんが来ないところだと、ホステスさんを休ませたりしてるんですか。
甲賀:お店を何とか維持するために、ホステスさんを出勤制限したりクビを切ったりしてしのいでいますね。でも、長期的に見ると、女の子がいない状態になってしまうとお客さまは戻ってこないですからね。
林:そうですよね。
甲賀:特に銀座とか六本木できらびやかな生活をして、売れっ子としてメディアにも出ていたような女の子たちは、とっくにこの業界から身を引いています。そういう子は貯蓄もそれなりにあるし、もともと力があるから、別事業でもやっていけるんですよ。でも、そういう子はほんの一握りで、大多数の子たちは、OLさんとほぼ変わらないぐらいの給料なんですね。その中でのコロナなので、いま手取り十数万とかの生活になってきているんです。
林:まあ、可哀想。都会で暮らしていくにはなかなか厳しい金額ですよ。
甲賀:今この業界に残っている子たちは、昼の仕事を探したけどない、もしくは昼の仕事が解雇になってしまって、夜の仕事の経験はないけれど、やむなくそこで働いているという、ほんとに切羽詰まった子たちが大多数なんです。だから少ないお給料でも、この業界で働いているわけです。その子たちはこの仕事がなくなったら、どうやって生きていくのか、ということですよね。
林:“岡村発言”(昨年4月、お笑いコンビ・ナインティナインの岡村隆史さんがラジオ番組で、「コロナが明けたら可愛い人が風俗嬢やります」などと発言し謝罪)じゃないですけど、こんな大変な事態になったら風俗のほうに行く子も出てくるだろうなと思ってる人、けっこう多いんじゃないですかね。
甲賀:実際にそうなんです。ホステスさんだけじゃなくて、業界を支える方々、例えばヘアセット屋さんも大苦戦していて可哀想なんです。ホステスさんを担当する美容師さんって、多くが個人事業主なんですよね。その日、自分のお客さんであるホステスさんが何人、自分のところにヘアセットに来るかで生活しているわけで。