甲賀香織さん(右)と林真理子さん (撮影/写真部・高野楓菜)
甲賀香織さん(右)と林真理子さん (撮影/写真部・高野楓菜)
甲賀香織 (撮影/写真部・高野楓菜)
甲賀香織 (撮影/写真部・高野楓菜)

 出版社やコンサルティング会社を経て、日本水商売協会を立ち上げた甲賀香織さん。コロナ禍で“夜の街”として批判される以前から、水商売業界の地位向上を目指した理由とは? 作家・林真理子さんとの対談でその意外な経歴や“自分なりの社会貢献”を語りました。

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>>【対談1:水商売の苦境 元No.1ホステス「売れっ子は引退。切羽詰まった子が大多数」】より続く

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林:1~2月の緊急事態宣言の最中にも、国会議員が銀座のクラブに行って非難されて、離党したり議員辞職したじゃないですか。もちろん緊急事態宣言期間中に国会議員がクラブに行くのはよろしくないと思うけど、何でもかんでもすぐに謝って終わらせるのはどうかとも思います。みんな何らかの付き合いを持って生きているわけで、いっそ居直って「ママとの付き合いで、店が苦しいからどうしてもって言われたから行っただけだ。いちいちうるさいんだ!」って一喝してもいいような気もするけど、やっぱりダメかしら(笑)。

甲賀:そこまで強い主義主張がおありだったら、それはありでしょうけど、あの方々に主義主張があったんですかね(笑)。このごろ政治がらみの方々とお会いさせていただく機会が増えましたけど、本当の意味で尊敬できる政治家さんって少ないなと思います。

林:甲賀さんはおもしろい経歴をお持ちで、大学を出たあと、ベースボール・マガジン社に勤めたんですね。最終面接で落ちたのに、「なんで落としたんですか」と言って拾ってもらったんですって?

甲賀:そうなんですよ。意気込んで入社させてもらったのに、ぜんぜん役に立たなくて、当時の上司たちに謝罪したいです(笑)。

林:起業したくて、そのあと出産を機に会社をやめたんですね。

甲賀:最初は若者ならではの気軽な気持ちで、「会社って15万円ぐらいあったらできるから、ちょっとやってみよう」ぐらいの感じで、お米を販売する事業を始めたんです。そんな感じだから、お米の事業の収益は趣味に毛が生えた程度にしかならなくて、「これじゃまずいな」と思って、勉強のためにコンサルティング会社に転職したんです。そのコンサルティング会社は、社員の8割がたが2年以内に起業していく感じのところだったので、「何をやったら社会に貢献できるんだろう」と考えて、これだと思ったのが水商売でした。

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