「つみたてNISA」で買う金融商品は投資信託(以下、投信)がメイン。投信は銀行で買えるので、証券会社以外では通常の銀行、ゆうちょ銀行、一部のネット銀行でもつみたてNISA口座を開ける。どこでつみたてるのが得なのか? 「AERA Money 2021春号」では、つみたてNISAを利用できる金融機関を徹底比較している。
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ネット証券、大手証券、銀行という3つの窓口別に「毎日つみたてできるか」「つみたての最低金額」「つみたてNISA対象投信の本数」「クレジットカードつみたてが可能か」「窓口対応があるか」の有無をまとめた。
まず、ネット証券で急速に普及しはじめたクレジットカード決済に注目したい。月々のつみたてでカードのポイント(つみたて金額の0.5~1%)も貯められるのだ。これはおいしい。
たとえばマネックス証券ではこの春、新しいクレジットカードを発行する。提携先の新生銀行傘下のアプラスとの共同事業だ。今後、クレカを通じて投信のつみたてもできるように準備をすすめている。
同社のカードでは100円の買い物で1ポイントが付与され、マネックスでの株式売買手数料に充てたり、マネックスのグループ会社のコインチェックで暗号資産(仮想通貨)に交換したりすることもできる。
先発組では、楽天証券での楽天カードによる投信のつみたてが人気。SBI証券も三井住友カードによる「投信積立サービス」を2021年6月末にはじめる。
次に注目したいのは、取り扱っている投信の本数。150~170本の品ぞろえを誇るネット証券が、投信選びの自由度では群を抜いている。
品ぞろえという点では、大手のSMBC日興証券も147本とがんばっている。また、PayPay銀行も62本ではあるが、格安の投信ばかり取りそろえている。
信託報酬の安さで大人気の「eMAXIS Slim」シリーズや「購入・換金手数料なし」シリーズ、「たわらノーロード」シリーズなどを買いたいと思うなら、ネット証券かSMBC日興証券、PayPay銀行がいい。
なお、ネット証券や大手証券会社では、指定した銀行口座から毎月のつみたて金を手数料無料で引き落としてくれる自動振替サービスがあるので手間もかからない。
一方、老舗の大手証券会社は対面窓口があるので、何か困ったことを直接相談したいときには便利で安心だろう。
銀行は、日頃から預金を通じて付き合いもあり、誰にとってもなじみ深い金融機関。しかし、投信の商品ラインアップが少なめなのが難点。自分が買いたい投信があれば、銀行ではじめるのもいい。
(取材・文/安住拓哉、大場宏明、編集部・中島晶子、伊藤忍)
※アエラ増刊『AERA Money 2021春号』より抜粋
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