モロッコ料理のケータリングサービスで、私の自宅で会食(ニシム・オトマズキン提供)
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モロッコのコメ料理。人気がある(ニシム・オトマズキン提供)
モロッコのコメ料理。人気がある(ニシム・オトマズキン提供)
和食のケータリングサービスを利用するエルサレムの家族(ニシム・オトマズキン提供)
和食のケータリングサービスを利用するエルサレムの家族(ニシム・オトマズキン提供)

 新型コロナウイルスが広がり続け、多くの人々が食事を家でとっているか、テイクアウトを利用していますよね。イスラエルはすでに3回のロックダウンを経験しており、イスラエル人もまた、外食をせずに家庭料理や出前に頼るようになりました。この状況は、イスラエルの人々の食事についての考えに強い影響を与え、コロナ後の食事についていくつかの変化を提示しました。

 一つは、膨大な数のテイクアウト料理を注文するようになったことです。今まで配達をしていなかった有名レストランなども配達するようになりました。もともとイスラエルは日本と異なり、外食よりも家で調理するほうがはるかに安く上がります。アメリカのようなファストフード文化はそれほど一般的ではありません。また家族は自分の家庭の味に誇りを持っています。

 しかし、コロナは状況を変え、テイクアウトは活況を呈しています。テルアビブの街や他の多くの主要都市では、家庭にレストランから料理を配送するスクーターや自転車がよく見受けられます。二つの配送会社がイスラエルでは人気で、一つは「Wolt」という電動自転車を使用する、フィンランドに拠点を置くグローバル企業です。もう一つはスクーターを使って配送するイスラエルの「Ten Bis」(ヘブライ語で「一口を与える!」)。 双方とも配達料は約300~500円くらいです。コロナ危機の初めにこの二つの会社に投資していたら、私は今ごろ金持ちだったでしょう(笑)。

 コロナによってもたらされた第二の変化は、外食産業で職を失った多くのイスラエル人が自宅で料理を作り始め、オンラインでケータリングサービスを提供し始めたことです。最近、エルサレムに住むある日本人女性(中村絹代さん)も、自家製の料理のケータリングサービスを開始しました。ユダヤ系フランス人の夫とイスラエルに住む前にパリで料理を学んだ彼女は、エルサレムに拠点を置くブティックホテルでシェフとして働いていました。コロナのために、ホテルは1年以上、休業しなければなりませんでした。その間、彼女は家のキッチンで調理した家庭料理、日本料理とフランス料理の両方を、ホームメイドの料理を食べたい人に提供しています。 私も彼女の家庭的な料理のファンの一人です。もう一つ、私が好きなのは本格的なモロッコレストランの配達です。これは私の両親の味でもあります。

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Nissim Otmazgin

Nissim Otmazgin

〇Nissim Otmazgin(ニシム・オトマズキン)/国立ヘブライ大学教授。トルーマン研究所所長を経て、同大学人文学部長。1996年、東洋言語学院(東京都)にて言語文化学を学ぶ。2000年ヘブライ大学にて政治学および東アジア地域学を修了。2007年、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科修了、博士号を取得。同年10月、アジア地域の社会文化に関する優秀な論文に贈られる第6回井植記念「アジア太平洋研究賞」を受賞。2012年、エルサレム・ヘブライ大学学長賞を受賞。研究分野は「日本政治と外交関係」「アジアにおける日本の文化外交」など。京都をこよなく愛している。

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