東京、大阪など1都3府県に3度目の緊急事態宣言が出るなど、コロナの変異株が猛威を振るっている。人々は衛生面にますます過敏になっており、とくに口に入れる「食」となればなおさらだ。そんなニーズに応え、コンビニ各社では、手でじかにさわらなくても食べられる商品が登場している。
【写真特集】おにぎり、スイーツ、チキン…さわらず食べるコンビニフード13選
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「食べ物に、直接ふれたくないんです」
ランチタイム。マスクを片耳にかけた30代男性は、コンビニで買った「おこわおにぎり」のパッケージを丁寧に開け、パッケージごしにおにぎりをつまんでほおばり始めた。一口食べたらパッケージを少し下へずらし、また食べる。そしてまた下へずらして、食べる……。
株式会社アスカネットが行った「コロナショック前後のモノとの接触に関する意識調査」(2020年5月12~13日のインターネット集計、全国20~60歳の男女1204人)では、「コロナショック以降、モノとの接触が気になっている」と答えた割合は79.8%に上った。
なかでも食べ物に直接ふれて口に入れることを気にする人も多い。そうした消費者の動向に敏感なコンビニでは、ふれずに食べられる商品が開発されている。こうした商品を「非接触フード」と名付け、各社の個性あふれるラインナップをみてみたい。
■斬新なアイデアに消費者が即反応
商品にさわらない「お召し上がり方」のイラストをパッケージに描いて売り出し、注目を集めているのがローソンの「スティックおにぎり」だ。
コンビニなどで買うおにぎりは、中のごはんとは別に包装された海苔をくるんで、じかに手で食べるものが当たり前だ。だがこの商品は、一般的なコンビニおにぎりと違って海苔がなく、三角でも丸型でもない。太巻寿司のようなカタチだが、食べてみるとまぎれもなくおにぎり。持ちやすいうえに、具を巻いて作ってあるため、最初の一口から最後まで、具とごはんのハーモニーが楽しめていい。見た目以上に食べごたえがある。
「3月30日の発売以降、予想通りの売れ行きです。おにぎり全体の数値と比較して、前年対比約1割増になりました」
と、ローソン広報担当者は話す。購買客層は具によって変わるが、「ひれかつ」は男性からの人気が高いそうだ。