逮捕された須藤早貴容疑者(左)
逮捕された須藤早貴容疑者(左)
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「紀州のドン・ファン」こと野崎幸助さん(享年77)が2018年5月24日夜、急性覚醒剤中毒で怪死してから約3年。和歌山県警は野崎さんの元妻、須藤早貴容疑者(25)を殺人と覚醒剤取締法違反容疑で逮捕した。

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 和歌山県警は今日早朝、須藤容疑者が住む東京都品川区のタワーマンションで、身柄を確保。朝一番の飛行機で、和歌山県警田辺署に移送した。
「紀州のドン・ファン」と呼ばれ、派手な女性関係を包み隠さず、著書に記すなど、破天荒だった野崎さん。だが、結婚からわずか3か月で急死とあって事件当初から、須藤容疑者の存在が浮上していた。野崎さんの親族はこう話す。

「幸助の葬儀でも、スマホばっかりいじって、赤い派手な口紅だった。親族に挨拶のひとつもしない。幸助の嫁さんと聞いてビックリ仰天だった。最初からあの女が財産ほしさやったと思っていた。今日、ニュースをみて、やっぱりと思った」

 事件は3年前のこと。なぜここまで須藤容疑者の逮捕に時間がかかったのか?

「物証といえば、野崎さんの体内から検出された覚醒剤だけ。須藤容疑者ら周辺からその時は発見されていない。野崎さんが死亡した時は、須藤容疑者とお手伝いさんの2人だけ。長い捜査の結果、やっと須藤容疑者と覚醒剤を結ぶものが出たということ」(捜査関係者)

 その結ぶものとは何か?野崎さんの親族は、何度も和歌山県警の取り調べを受けた。その親族の証言。

「警察は幸助が『サンドウィッチが好きですか』と聞いてきたことがあった。仲良くないので詳しくはわからないが、幸助の会社の人などに聞くと、年を重ね、歯もあまり良くないので、柔らかいサンドウィッチが好みだったようです。その後、警察と色々聞いていると解剖して、幸助の胃の中からサンドウイッチを食べたと見られる形跡があったそうです。事情聴取の内容から和歌山県警はサンドウイッチに覚醒剤が振りかけられ、何も知らな幸助が食べたという見立てをしているように思いました」

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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