また、ライアン記者は21日のオークランド戦についても「ミネソタよりも暖かいものの、サンフランシスコ湾からの冷たい風が吹き注ぐため、前田のパフォーマンスに影響を及ぼしたとも考えられます」と語り、コロナ禍の影響で7月に開幕した昨季とは違い、4月開幕した今季、肌寒い時期からの登板に前田は苦戦しているのだろうというのが現地の見解だ。
ライアン記者は「インディアンス戦(27日)で8被安打、3本塁打、5失点を許したことは決して褒めらることではありませんが、彼だけの責任ではない気がします」と前田を擁護する。そして今後について「現在チーム全体がかなりの不振に陥っており、雰囲気は余り良くありません。負のエネルギーは選手たちを精神的に圧迫しており、ここから抜け出すのには相当苦労すると思います」と分析する。
ツインズは前田に対して最大限の信頼を寄せており、それは今も変わらない。調子を落としているとはいっても、前田は今も高い水準を維持している。ライアン記者も「エースとして、メジャーで何かを証明する力をまだ持っています」と前田の活躍に期待を寄せている。ファンが予想外の出来事にパニックを起こすことは理解できるが、シーズンが開幕してからまだ1ヶ月も経っていない。
「気温が暖かくなる5月以降には復調するでしょう」とライアン記者が予想するように、前田はこれから次第に調子を戻してくるだろう。もちろんチームのエースであることに大きなプレッシャーはあるかもしれないが、ツインズが今の不振から抜け出すためには前田の力が必要不可欠だといえる。このチームとファンからの大きな期待に応えることができるか、前田の真価はこれから問われることになるだろう。(澤良憲/YOSHINORI SAWA)