結成当初、ボクとHIRO君は、お笑いのことなんて何も分かってなかったし、ボクに至っては辞めようって思ってたわけだしね。
団長は、ボクの気持ちにも、薄々気づいていたと思うから、なんとかそれを阻止するために、気を使って、ボクの好きな歌ネタとかを、漫才に取り入れてくれたりもしていた。
仕事が急にガクンと減った時も、ボクらが腐らないようにネタ合わせだけはやってくれていたのも今考えれば大きかった。
「元々友達でもない3人が急にグループを組まされたわけやから、仲良くなるためには努力しかない。だから、仲良くする努力を互いに忘れないようにしよう」って、団長がいつも言っていたのも覚えてる。
あの言葉の影響があるからなのか、安田大サーカスは仲が良いグループだと思う。どちらかといえば(笑)。
もう団長とHIRO君とは「兄弟」みたいな感じかな。別に無理に話さなくてもいい関係とかいうか。
いや、ちょっと「兄弟」は言い過ぎか。年に何度か合う「親戚」ぐらいにしとこう。
あれだけ辞めようと思っていた安田大サーカスを、今ではずっと続けていきたいなって思ってる。
やっぱり、しんどいこともここまで何とか3人で一緒に乗り越えてきたわけだしね。
もし、ボクがグループを辞めることがあるとするなら、それは多分アイドルになれた時かな(笑)。これは、ボクの夢だから譲れない。
ボクがアイドルになれたら、いつかコンサートする時に、二人を招待しよう。そして、「元メンバーの団長とHIRO君です!」ってステージに上げたりして、ファンのみんなに紹介とかもしてみたい。
なぜか、ボクは完全に売れている設定(笑)。
まあ、とにかく20周年だからといって、ボクは特に何もやりたくない。
もし、団長が何か言い出したら、すぐにマネジャーに報告してやるしん!
(構成/AERA dot.編集部・岡本直也)