「『あなたたちの物、どけてくれない?』と言って揉める親子は非常に多いです(笑)」
角を立てないポイントは、「目的を明確にする」ことだという。
「今までずっとそのままだったのに、なんでそんなことを突然言いだすのかな、何かあったのかなと余計な不安をかりたててしまいます」(中里さん)
まずは自分たちの部屋や荷物を片づける様子を見せた上で、「あとはあなたたちの荷物だね」という流れを作ることが効果的らしい。「労力のかかる作業ですから、将来なんとかしようと思いつつ後回しにしてしまう子どもたちは多いですが、結局後で困るのは自分。だったら自分たちの労力を減らすためにも親と一緒にやろう、親も喜ぶしと、考え方も柔軟になります」
今回の取材にあたり、中里さんは、20~50代の子ども世代48人に、<自分の荷物が実家に置いたままであることを、親はどう思っていると思うか>と尋ねてくれた。結果は、
・片づけてほしいと思っている……24人
・そのままでもかまわないと思っている……21人
・置いておきたいと思っている……2人
となった(一部無回答)。
子ども側の意識としては、「片づけなくては」派と、「そのままでいいや」派に、そう差はなかった。親に手間をかけさせたくないという思いもある一方、自分の荷物はやっぱり自分の手で片づけたい気持ちも強い。
とはいえ、コロナ禍収束の見通しもたたず、帰省すること自体難しいご時世でもある。前出のRinさんは言う。
「こっちはやりたいことがたくさんあるから、いつ帰ってくるかわからない者を待っていられないわけですよ(笑)」
やっぱり子どもの同意を得て、自分で片づけてしまおうと思った場合。子ども部屋なら机やベッドなど、まずは大物家具から始めるといいそうだ。
「うちは大物をどけて床にタイルカーペットを敷きました。普段他のことに使っていても、娘や娘家族が帰省したときには、そこに布団を敷けばいいわけです」(Rinさん)