菅首相と岸防衛相(C)朝日新聞社
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菅首相と河野ワクチン担当相(C)朝日新聞社
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 河野太郎ワクチン担当相がテレビ朝日番組「ANNニュース」(5月5日放送)に出演し、新型コロナウイルスワクチンの大規模接種センター東京会場で1日1万人の接種について語った発言が大きな反響を呼んでいる。

【写真】河野ワクチン担当大臣の発言で防衛省に波紋

 河野大臣は番組内で「1日どれぐらい打てるのか、医官、看護官を配置できるのか、自衛隊が検討しているので。そこはこういうオぺーレーションができると言っているので自衛隊に任せたいと思っている」と発言。

 さらにアナウンサーが(約1万人が)ワクチンを打った後、経過観察で滞留することもあり得るのではないかなどと畳みかけると、「自衛隊が今きっちり線を引いて検討していますし、1万人になるかどうか自衛隊の検討次第だと思いますが、かなりの規模の接種ができると思っている」と強調した。

 一方の岸信夫防衛相はTBSのCS番組「国会トークフロントライン」(4月30日放送)に出演した際、「最初から100%というのは難しいかもしれない」と24日の設置当初から1万人を接種するのは厳しいという見方を示していた。官邸周辺関係者がこう語る

「官邸のトップダウンの指示に何とか対応しようと現場が奔走している中、河野大臣の丸投げ発言はあまりに酷い、と防衛省幹部は嘆いています。防衛省では現在、全国にどれだけの医官、看護官をセンターへ派遣できるか、聞き取り調査を行っているのですが、地域医療をも支える自衛隊病院から引き抜くわけにもいかず、部隊の医務室に医官や防衛医大の大学院生を何とかかき集めようとしています。実はそれでも人員が全く足りず、1日1万人と大々的にぶち上げたものの、実際は非現実的で無理という声が出始めています」

 河野大臣の出演した番組を視聴した自衛隊OBは「発言に耳を疑いました。そもそもワクチン接種は厚生労働省の管轄でやるべきではないでしょうか。自衛隊の医療スタッフ、看護助手だけでは人数が足りないし運営は不可能です。厚生労働省が主導で自衛隊がサポートするなら理解できますが…。自衛隊の本業は国防です。元防衛大臣の河野さんはそのことを一番わかっている政治家だと思うのですが…」と渋い表情を浮かべる。

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