エスプレッソに泡立てたミルクを注いで絵を描くラテアート。イタリアで生まれ、北米で広まったとされている。日本では、2008年に第1回「ラテアート選手権」が開催され、この言葉が定着していった。
それが今、誰も想像しなかった方向へ急展開を遂げている。カップから飛び出す犬、猫、キリン……。これがカフェラテ?と思わず目を丸くしてしまう奇想天外な“3Dラテアート”がネット上で話題になっているのだ。
その噂のラテを作っているのが、大阪在住の山本員揮(かずき)さん(26)。現在、大阪市内のカフェでアルバイトする傍ら、自作の写真を一日3枚ほど、ツイッターにアップしている。すでに2千種類以上のパターンがあるという。
「3年くらい前からキャラクターなどの絵を描いていました。3Dを思いついたのは去年の夏くらい。自分で試行錯誤しながら作っています。絵が下手なので、僕はアイデア勝負なんです」(山本さん)
彼の作品は、国内外のネットニュースや、ツイッター、フェイスブックで世界中にあっという間に広まった。今やツイッターのフォロワー数は9万9千人を超える。何語かわからない言葉でコメントをもらうこともあるとか。
「目標は自分のお店を持つこと。ラテアートでアニメや絵本を作れないかな、とも考えています」(同)
数分で、努力も“水の泡”となる。でも、人を喜ばせたいという情熱は、お仕事の基本かも。
※週刊朝日 2013年6月14日号