ある日「夫のゴミ箱どれがいいですか?」とお客様に聞かれました。信じてはじめた仕事でしたが、「何を捨てればいいか」から「どこに何を置くか」「何を選ぶか」まで至れり尽くせり私がアドバイスをした結果、お客様はゴミ箱を選ぶことにさえ、自信を持てなくなってしまったのです。

「あ、これはまずいな。このやり方ではいつまでたっても、この人は自分で片づけられない」と思いました。

 私が片づけをお手伝いすればするほど、お客様は物を捨てる痛みも、収納の考え方もわからない。ライフイベントやお子さんの進学で変化があると再現性がなく、汚部屋のリバウンドが多くなることに気がついたのです。これが私の最大の失敗でした。

 そんなわけで、ありがたいことにニーズはあったのですが、そのお仕事はやめてしまいました。過去の教訓を生かして、今のプロジェクトはプログラムの8割が実践型。自分の頭と身体をフル稼働して、家族と協力しながら進めてもらいます。

 さて、冒頭で合言葉とした「ママだけが頑張らない」ですが、最善解を見つけていく中で、重要なテーマです。我が家だけの片づけのあり方を考える過程では、ママだけが考えても答えは出ません。必然的に家族とのコミュニケーションが生まれます。そのコミュニケーションを通じて、家族の動線に配慮があり、使いやすい収納や家具のレイアウトが作られるとびっくり! 家族が自分で片づけをするようになって「ママだけが頑張らない」に近づいていきます。片づけ成功の鍵は、実はコミュニケーション。

「最近子どもに怒ってばっかり」「夫婦の会話がめっきり減った」……なんて方は、いま一度、部屋のあり方を見直されることをおすすめします。その時々で最善解は変わるものですから。

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