アイドル界でも「地域主権」が確立できることが証明された一夜だった。

 6月8日、横浜市の日産スタジアムで「第5回AKB48選抜総選挙」が盛大に行われた。立候補したのは、総勢248人。過去最大の「総選挙」を制したのは、なんと、昨年7月にHKT48に移籍した指原莉乃(20)だった。

 獲得票数は、15万570票! 過去のスキャンダルを心配する声もあったが、結果的には圧巻の強さをみせつけ、「AKB48新時代」の主役となった。2連覇を目指した大島優子(24)は2位。だが、その表情はすがすがしく、後輩の栄光をたたえた。3位は「1位宣言」をしていた渡辺麻友(19)。宣言どおりにはならなかったが、「次期センター」として堂々たる結果だった。

 指原に代表されるように、今回顕著だったのは、地方の姉妹グループが軒並み上位に食い込んできたことだ。64位以内に入ったメンバー数は、SKE48(栄)=18人、NMB48(難波)=8人、HKT48(博多)=6人と、実に50%が「地方組」で占められたのだ。

 なかでも注目されたのは、15位にランクインしたNMB48(AKB48も兼任)の渡辺美優紀(19)。NMB48の中心メンバーだが、昨年は19位。今年は、着実に順位を上げて「選抜メンバー」入りを果たした。AKB48に詳しい芸能評論家の三杉武氏が語る。

「みるきー(渡辺の愛称)は、“釣り師”なんです。“釣り師”とは、握手会などでファンに上目遣いをしたり、手をぎゅっと握ったり、思わせぶりな態度を取るメンバーを指す隠語です。男性スタッフを下の名前で呼んだりもして、受けもいいみたいです」

週刊朝日 2013年6月21日号