NHK大河ドラマ『青天を衝け』の主人公で「日本資本主義の父」と称される渋沢栄一。渋沢家五代目の渋沢健氏が衝撃を受けたご先祖様の言葉、代々伝わる家訓を綴ります。
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前回の本コラムでは、渋沢栄一の「論語と算盤」の現代意義はSDGsであると展開しました。「誰一人取り残さない」インクルーシブな世の中を実現するためには、他人への思いやり、「論語」が象徴する仁徳が必要です。
ただ、SDGsを達成するためには、年間2.5兆ドルが必要であるとよく言われています。ちなみに、これは途上国・新興国向けだけで先進国の課題解決を含まず、かつ、ビフォーコロナの金額です。つまり、「論語」だけではSDGsは達成できなく、「算盤」も必要になります。
また、政府予算や伝統的な援助資金だけではSDGsに到達するための莫大な金額に足らないということは明らかであり、新たなお金の流れをつくらなければなりません。
つまり、世の中には、その新しいお金の流れをつくる理財に長じる人たちが必要です。それも少数精鋭だけではなく、世の中で大人数の理財に長じる人たちがいなければ、SDGs達成に必要な金額に達する訳がありません。そもそも「理財に長じる人」とは、どのような存在なのか。
日本資本主義の父と云われる渋沢栄一によると、「真に理財に長じる人は、よく集むると同時によく散ずるようでなくてはならぬ」
お金を「よく集める」ことが理財に長じると思いがちですが、「よく散ずる」、つまり、お金の使い方も大事であるということです。
2008年に仲間たちと設立したコモンズ投信は「世代を超える投資」を目指しており、次世代を応援する「こどもトラスト」というプログラムで、4つのお金の使い方をお子さんたちと共に学びます。
1つめのお金の使い方は、小さなお子さんでもすぐ理解してくれます。コンビニで食べたいお菓子を見つけたら、お金を使って買えること。「消費」です。