同馬の鞍上にも注目だ。横山武史騎手、22歳。「BSイレブン競馬中継」のMCを務める宮島咲良さんは、馬と共に騎手への期待を語る。

「待ちに待った新たなスター騎手です。皐月賞で初めてG Iを勝ったインタビューでは、高い声で喜びを語っていました。マークがきつくなるでしょうけど、ダービーで勝てば、スターを決定づけます。ワクワクします」

 1強の様相だが、問題は2着争い。実はこれが大混戦なのだ。それゆえ予想は楽しいし、馬連(1着2着の組み合わせ)の馬券は、妙味がある。

 2番人気が予想されるのは、サトノレイナス。牝馬として7年ぶりに、ダービーに挑戦する。宮島さんが思いを馳せる。

「大注目です。もし勝ったら、07年のウオッカ以来、史上4頭目の快挙です。私はレーヌミノル(17年の桜花賞馬)のように、どんなレースでも必死に走る馬を追いかけて応援するんですが、結果的に牝馬が多いんです。最近の古馬(4歳以上)のG Iでは牝馬がたくさん勝っていますし、3歳でも強いところを見せてほしいです」

 馬場次第では1着もあるのでは、と語るのは、スポーツニッポンの小田哲也記者。「万券の哲」として人気の穴党だ。

「エフフォーリアは1歩も2歩も抜けていますが、速い時計で勝利した経験はありません。皐月賞も稍重(ややおも)でした。もし良馬場で究極のキレ味勝負になればどうか。サトノレイナスは、桜花賞で上がり3ハロン(最後の600メートル)32秒9のキレを見せました。牝馬特有の瞬発力があります。スタートの良くない馬なので、1600メートルの桜花賞では追走に苦労しましたが、2400メートルなら楽に中団につけられるんじゃないでしょうか」

 他に馬連に絡みそうな馬は? 有吉記者はアドマイヤハダルと京都新聞杯を勝ったレッドジェネシスの名を挙げる。

「アドマイヤハダルは不気味です。皐月賞は初めて一線級と戦ったレースでしたが、4着に入りました。さらに力をつけてくれば面白い。京都新聞杯をステップにしてダービーで勝った馬は過去3頭いて、そのうちの2頭はディープインパクト産駒。レッドジェネシスもディープ産駒です。横山典弘騎手は、エフフォーリアの横山武史騎手の父。直線で親子対決が見られるかもしれません」

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