気付かないうちに強くなる、家の中のニオイ。
「家に帰って玄関を開けると、モワーッと嫌なニオイが押し寄せてくる、あれって本当に嫌ですよね。コロナ禍で在宅時間が増えると生活臭が強くなるので、こうした経験をしている人は増えていると思われます」
こう話すのは、家事アドバイザーの毎田祥子さん。日々、育ち盛りの中学生の息子の汗くささと格闘しているという。
「学校から帰ってきたらすぐにお風呂。感染対策とニオイ対策が一緒にできるので一石二鳥です」と笑う。
現代の家の構造が生活臭に影響していると指摘するのは「におい・かおり環境協会」理事で大同大学教授(かおりデザイン専攻)の光田恵さんだ。
「特にマンションがそうですが、気密性が高い家が増えました。その結果、昔の家のような風通しのよさが失われ、ニオイがいつまでも室内に充満するようになりました」
ニオイ=悪者とは限らないが、生活の中で生じるニオイには、不快な気持ちにさせるものが少なくない。
総合病院で清掃管理の経験などがある日本ヘルスケアクリーニング協会代表理事の松本忠男さんが言うには、「ニオイがするところには、何らかの問題がある」。そこをキレイに掃除するようにというサインなのだ。特に悪臭が生じそうな玄関、トイレ、風呂、台所、エアコンの5カ所について対策を紹介しよう。
【玄関】
玄関で悪臭を放つモノといえば靴だろう。
「靴がくさくなる原因は、靴の中にいる雑菌。エサとなる足の皮脂や汗を分解する際に独特のニオイを発生させるのです。気温が上がって汗をかきやすい、これからの季節は特にニオイが生じやすくなります」(光田さん)
靴(玄関)のニオイには、「雑菌を減らす」「ニオイの原因物質を減らす」という二つの対策が重要となる。
雑菌を減らすにはアルコール(エタノール)を靴の中に直接、スプレーするのが有効。アルコールは感染対策として市販されているもので十分だが、脱いだらすぐに吹きつけておかないと効果が薄れるので注意を。