
今年7月に行われる予定の参院選挙。候補者の中には、今回の選挙を盛り上げるタレント候補の名前が挙がっているが、その見どころの一つに応援演説がある。選挙は有名人の応援演説がおもしろいが、今回も期待できそうな面々がいる。
比例で自民党から出馬する格闘家の佐竹雅昭氏(47)や元五輪体操選手の塚原光男氏(65)らスポーツ選手をはじめ、歌手の伊藤洋介氏(49)はエイベックス所属、意外なところでは神奈川でみんなの党から出馬する前神奈川県知事の松沢成文氏(55)がよしもとクリエイティブ・エージェンシー所属だ。周囲への「応援要請」はどうなっているのか。
「検討していますが、格闘家はないと思います。アントニオ猪木さんも出馬されていますからね……」(佐竹事務所の担当者)
「ネットに出てもらう可能性はありますが、そもそも街頭演説はしない予定です」(伊藤氏)
つれない話が多い中で、期待できるのはやはりよしもと所属の松沢氏だ。昨年の東京都知事選に出馬した際、同じよしもと所属の西川きよしや平成ノブシコブシが応援に駆けつけたという。
「オーソドックスに政策を訴えていきますが、親しみをもってもらうためにもアクセントに芸人を呼びたいです。いずれも個人の付き合いでお呼びしています」(松沢事務所担当者)
しかし、ここで問題となるのが、有権者への「利益供与」だ。公職選挙法199条2の1項では寄付の禁止が明記されている。
「金銭やモノに限らず、財産的に価値のあるものの寄付も禁止されています。お金を払って人が見るものなども該当しますが、明確な線引きがなく、個別判断になります」(総務省選挙課)
例えば、ものまね芸人のキンタロー。が応援演説で「フライングゲット」のギャグを披露したら、「利益供与」とみなされる可能性があるのだ。ただ、プロの歌手が歌うことが、「ただちに寄付に当たるわけではない」(同)という曖昧な法律で、判断は非常に難しい。一体どう対応しているのか。
「うちは選挙管理委員会などに何度も確認してオリジナルのガイドラインを作っています」(前出の松沢事務所担当者)
昨年の都知事選の際に作ったガイドラインはA4用紙2枚分で、門外不出の力作だとか。
「具体例を挙げ、自己紹介はOKだけど一発ギャグやネタはダメとか、かなり細かい。せっかく応援に来てもらって、迷惑をかけたら申し訳ないですから。それを事前に読んでもらうようにしています」(同)
しょうゆうことか。あれ、これもアウトですか?
※週刊朝日 2013年7月5日号