料理研究家の黒田民子さんが教える「家つまみでひとやすみ」。今回は「揚げイワシの木の芽おろし添え」。
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私はサンショウの香りが大好きなんです。庭で育てていたこともありますが、食欲旺盛なアゲハチョウの幼虫に食べ尽くされてしまったことが……(笑)。彼らもおいしい葉っぱをよく知っているのですね。
脂がのった旬のイワシの揚げ物にさわやかな木の芽おろしを添えたこちらの料理。イワシは開きを用意しましたが、尾頭付きの場合は頭と内臓を取って手開きにし、きれいに洗って中骨を取り除いてください。これを半分に切り、調味料に浸して下味を付けます。ひと手間かけるだけで、魚の臭みもなくなりぐっとおいしさが増します。
10分ほど経ったら魚の汁気を拭き取り、片栗粉を薄くまぶしてサラダ油で少し色づく程度に揚げます。片栗粉は小麦粉よりも表面がサクッと軽やかに仕上がりますよ。
木の芽は包丁でたたいて香りを立たせて大根おろしに混ぜ、ポン酢で味を調えます。揚げたてのイワシに添えると何尾でも食べられます。今夜の晩酌のお供にいかがでしょうか。
(構成/沖村かなみ)
■揚げイワシの木の芽おろし添え
【材料】(2人分) イワシの開き2尾、A(酒大さじ1、醤油小さじ1)、片栗粉大さじ2、サラダ油適量、大根5cm、ポン酢大さじ1、木の芽10枚、大葉1枚
【作り方】(1)イワシの開きを半分に切り、Aに10分ほどつける。(2)(1)の汁気を拭き取り、片栗粉をまぶし、余分な粉を振り落とす。(3)180度に熱したサラダ油で(2)を揚げる。(4)大根をすりおろして刻んだ木の芽を加え、ポン酢で味を調える。(5)器に大葉を敷いて(3)を盛り付け、(4)を添える。
【ワンポイントアドバイス】酒と醤油を合わせ、切ったイワシをつけて味を含ませる。木の芽は包丁で細かくたたくように切ると香りが立つ。
※週刊朝日 2021年6月18日号