巨人の菅野智之投手(C)朝日新聞社
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 巨人・菅野智之の調子が上がってこない。13日のロッテ戦(ZOZOマリン)で2回2/3で4安打4失点KO。初回に角中勝也の左中間適時二塁打とレアードの中犠飛で2点を先制されると、3回も荻野貴司にソロを被弾するなど2点を失った。3回持たず今季最短KO。右肘の違和感から復帰2戦目も本来の姿に程遠い。

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 投球を見ていたスポーツ紙の遊軍記者は菅野の「ある異変」を指摘した。

「1回は直球が最速149キロを計測しましたが、3回は球速が140キロ台前半にガクッと落ちた。試合の序盤でスタミナは関係ないでしょう。そもそも馬力のある菅野は本調子だったら試合終盤も150キロ台を計測します。故障した右肘が本来の状態ではないのかなと…試合を重ねるごとに上がってくればいいですが、患部の状態が悪化するのが怖いですね」

 菅野が右ひじの違和感で緊急降板したのが5月7日のヤクルト戦(東京ドーム)。4回を投げて51球で2安打無失点だったが、勝利投手の権利がかかる2点リードの5回のマウンドに姿はなかった。この時の4回にオスナを右飛に仕留めた直球は140キロ。球速が上がらず、投球の合間に肘を気にする素振りも見られた。

 昨年は開幕13連勝を含む14勝2敗、防御率1.97。3度目の最多勝、初の最高勝率(.875)、2度目のリーグMVPを受賞してリーグ連覇に大きく貢献した。オフにはポスティングシステムでメジャーリーグへの移籍を目指したが、交渉期限までにまとまらずに残留が決定。来オフに海外FA権を行使して再びメジャー挑戦する可能性があるが、米国在住でメジャーの試合を取材している駐在員は「今季の菅野では厳しい」と分析する。

「メジャーで成功する日本人投手は制球力、変化球の質がクローズアップされることが多いですが、最も大事な要素は直球の強さです。直球で打者を差し込めるから変化球も生きてくる。巨人に復帰した山口俊がメジャーで思うような活躍ができなかったのは直球が米国では打ちごろの体感速度、キレだったからです。制球が良いため踏み込まれて狙い打ちされてしまう。そうなると勝負球のスプリットも生きてこない。菅野も多彩な変化球を操りますが、力強い直球が生命線だと思います。メカニックで不安を抱えているのかもしれないが、直球が140キロ台前半では変化球でかわしきれない。今の状態ではメジャー球団の評価もシビアなものになると思います」

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