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加齢により増加するめまい。その多くは生命の危険に直結するものではないが、なかには緊急性の高いものもある。また、めまいが長引くことで難聴の悪化や転倒のリスクにつながる可能性もあり、正確な診断と早期治療が望ましい。
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グルグル目が回る、フワフワして歩けない、クラクラするなど、めまいの感じ方はさまざまだ。その「めまい」が起こるメカニズムは、からだがバランスを保つ働きと深く関わる。
耳の奥の「内耳」には、聴覚をつかさどる「蝸牛」と、平衡機能(からだのバランスを保つ機能)をつかさどる「前庭器」がある。前庭器は、回転を感じる「三半規管」と、からだの傾きや前後左右の動き、重力を感じる「耳石器」から成る。この、耳で感じた情報が脳に送られることで、からだはバランスを保っている。
ところが、前庭器に障害が起こると、脳に送られる情報とからだの状態にギャップが生じる。例えば、実際には頭が傾いているにもかかわらず、前庭器が「頭はまっすぐ」という誤った情報を脳に送ると、脳は混乱し、それによってめまいが生じる。つまり、めまいはからだのバランスをとるシステムの障害により起こる症状といえる。
めまいは原因により、耳の病気による「末梢性めまい」と脳の病気による「中枢性めまい」に大別される。聖マリアンナ医科大学病院耳鼻咽喉科教授の肥塚泉医師は、「めまいの約7割は耳の病気が原因」と話す。
「めまいが起こる耳の病気としてよく知られる『メニエール病』はめまい全体の約10%と、実はそれほど多くありません。最も多い病気は、『良性発作性頭位めまい症』で、疑い例も含めると約半数を占めます」
良性発作性頭位めまい症とは、頭を特定の位置に動かしたときにめまいが起こる病気で、50~60代以降の女性に多くみられる。メニエール病は、激しいめまい発作をくり返し、難聴や耳鳴りをともなうことが多い。ほかに、突発性難聴や前庭神経炎などの病気でも、めまいを生じることがある。
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