そういう状況を見て、僕らがテレビ論と言っていること自体、違うんじゃないかなと思った。今、テレビがこういう状態になったものを元に戻そうとするのではなくて、こういう現状だからどうする? ネットとどう融合していく? どう進化していく? ことを考えていくしか、若い世代は全く興味がないのではないか。

 今後のテレビとかメディアとかを語り出すと、若い世代はもっとテレビを見なくなると思う。そんなの語られても、知らねぇーよ! 今の時代、視聴するものを色々選べていいじゃんって感じでしょ? テレビ側もそういうふうな考えでいかないといけないのかなと思った。オッサンたちが気づいていないだけで、そこに大きな溝がある。

 この世代の溝でわかりやすいのが、ダンスを恥ずかしくなく踊れる世代か踊れない世代か? 僕ら世代は“ダンスを踊ってください”と言われるだけでも恥ずかしい。目の前でダンスを踊られるのも恥ずかしい。ダンスは踊れない、見られない世代。僕らの下の世代は、ダンス教育もあるし、意外と平気で踊れるし、踊っているのを見ることもできる。

 そのはざまはどこかなと考えたら、フジテレビの永島優美アナウンサー。永島アナはYouTubeで踊ってみた動画を上げていたり、「めざましテレビ」でも踊ったりしている。彼女は30歳前で、それより前がダンス世代で、それから上の世代は見ていられない。

 僕らダンス恥ずかしい世代は、ダンスをやったこともないからあきらめがあるじゃないですか。ダンス踊れたらいいんだろうぁとは思うけど。EXILEみたいに団体で踊られるとカッコいいとも思うし、モテるんだろうなぁとも思う。じゃぁ、踊ってみてくださいと言われたら恥ずかしいとなる。目の前で思いっきり踊られると見られない。例えば、自分の職場で働いている若い3人の女性が思いっきり踊りだしたら、見ているこちらはちょっと恥ずかしいじゃないですか。それが、カッコいいダンスだったとしても。

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テレビは面白いものは面白いけれど