「郵送ですませられるものも多い。火葬許可証も、死亡届を郵送すれば発行してくれるところがあります。ただし、郵送での手続きだと火葬予定日に間に合わないことも。自分で足を運んでもいいのですが、葬儀社に頼めば感染リスクを下げられる」

 葬儀や火葬がすんだ後も、落ち着いてはいられない。故人が世帯主で、同じ世帯に15歳以上の家族が2人以上いる場合は、世帯主の変更届を出す。役所に直接出向かなければならないが、申請書は役所のサイトでダウンロードできるし、必要な書類も確認できる。事前にそろえておけば、窓口での滞在時間を短くできる。

 年金は、故人が国民年金を受け取っていた場合は死後14日以内、厚生年金の場合は10日以内に「年金受給権者死亡届」を年金事務所、年金相談センターに提出する。年金も、郵送での手続きは可能だ。だが、日本年金機構は「直接来てもらうことをお勧めしています」(広報担当者)という。

「振り込みのタイミングのずれによって生じる故人の『未支給年金』や、家計の支え手が亡くなったときに遺族がもらえる『遺族年金』の受給を同時に申請したいケースでは、書いてもらう項目が多く、故人や本人の年金記録を確認してもらう必要もあります。担当者と相談しながら手続きを進めてもらったほうが正確で、かえって負担も少なくなります」(同)

(本誌・池田正史)

週刊朝日  2021年7月2日号より抜粋

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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