始まって5週目、「おちょやん」だと千代(杉咲花)が、クズ父・テルヲ(トータス松本)の魔の手から逃れ、道頓堀を飛び出して京都の「カフェー・キネマ」で働きながら女優修業を始めるという波瀾(はらん)万丈っぷり。
一方これまでのモネは、林間学校中に雷雨に見舞われ、避難小屋で小学生が眠らないよう「ピーッ」笛を吹く。お盆で里帰りしたら、家族が大ゲンカになったので、止めるために「ピーッ」笛を吹く。
なんせ心象風景重視で話がなかなか動かない。ここで、やっとモネの気象の勉強が始まった。先生代わりの若手医師・菅波(坂口健太郎)が、コップに氷を入れる。
「見ててください、氷が溶けるまで」。えーッ、この朝のくそ忙しい時間に?(ドラマ内は黄昏[たそがれ]時)。コップの表面に生じる水滴。「これが雨です」
うん、ためになる。ためになるけど、果たしてこのペースで、朝ドラが終わるまでにモネは気象予報士になれるのだろうか? 話の行き先が朦朧としていて全然見えないけれど、ボーッと見てればいい気もする。
カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など
※週刊朝日 2021年7月2日号