意図的にゲーム好きをアピールすれば、男性からの人気はより集まりそうだが、そこに足を踏み込まないのはかっこいい。以前、「土曜スタジオパーク」(NHK総合、2020年5月16日放送)で、ドラマで共演した井浦新が波瑠の印象について「いつもとにかく凛とされていて、どんな時でもすがすがしい」と話していた。共演者も感じるそのたたずまいは、サバサバぶりを演出していては出せない雰囲気だろう。

■敵をつくるタイプと自らを分析

 続けて、「人に好かれようとこびを売るようなことはしない芯の強さもある」と言うのは女性週刊誌の芸能担当記者だ。

「自身について『結構、敵をつくるタイプ』とインタビューで話していたこともあります。自分の中にある、『許せない軸』に触れると、『それは違う』と言ってしまうそうです。それで友達を減らしてしまった場合、『もっとうまく振る舞えるのではないか』と考えることもあるそうですが、『自分が守りたいものを守れるのならそれでいいのかな』とも思っているとか。そんなところを見ると人によって態度を変えなさそうですし、ある意味、頭が固いともいえる不器用さがある。それでいて演技力も確か。職人的な女優といった感じで、そこが視聴者の琴線に触れ、応援したくなるのだと思います」

 波瑠にインタビュー経験のあるドラマウオッチャーの中村裕一氏は、そんな彼女の魅力をこう分析する。

「取材の受け答えも非常に丁寧で、しっかり自分の価値観を持っている印象を受けました。透明感の中に潜む芯の強さ、芸能の世界に身を置きながらも決して浮つかない、地に足のついたバランス感覚が人気の理由の一つであることは間違いないでしょう。個人的にはラブコメよりもシリアス系の作品のほうがより合っていると思いますが、これから先、どんな引き出しを開けてくれるかも、とても楽しみです。よく『芝居に正解はない』という通り、表現は実に多様で悩み出したらキリがありませんが、一人の人間として彼女の中の軸がブレない限り、女優として今後も安泰ではないでしょうか」

 今までさまざまな役柄を演じてきた波瑠だが、どの作品も違和感なくスッと役にハマる印象がある。華やかさよりも内にある力強さで、今後も引っ張りだこになりそうだ。(丸山ひろし)

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