そこから、自民を支持する経営者も最近はほとんどものを言わなくなったから、何も変わらないという話になり、もう一度自民の話で堂々巡り。
次に、同じ会場にいた若手のスタッフに声をかけてみた。「今の日本って、大丈夫だと思う?」と聞くと、一様に「沈没してる」「やばいでしょ」と、意外にも現状をよく理解している。「でもどうして若い人に自民支持が多いのかな」という問いには、「いい時なんかなかったからね。そんなに深刻には感じない」「熱い風呂に浸かってて、じっとしてないと熱くてやけどしちゃうみたいな感覚。動きたくても動けない」。そして、立憲民主党については、顔を見合わせるだけ。「誰も知らないよね」という声まであった。
秋の総選挙に向けて、五輪とワクチンに賭けた菅総理とその賭場に上がって、五輪・コロナ対応批判とデルタ(インド)株に賭ける野党。どちらも賭博政治に染まっている。日本の危機を何とかしてくれという国民の声に応える政策とその実行力を競い合って欲しいものだ。
※週刊朝日 2021年7月9日号
古賀茂明(こが・しげあき)/古賀茂明政策ラボ代表、「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。1955年、長崎県生まれ。東大法学部卒。元経済産業省の改革派官僚。産業再生機構執行役員、内閣審議官などを経て2011年退官。近著は『官邸の暴走』(角川新書)など