「アンチエイジング」という言葉をよく聞きますが、僕にはちょっとネガティブな印象なんですよ。老化にあらがうのが「アンチエイジング」ですよね。でも、いくらがんばっても、だれでも老化はします。それだったらあらがうより、楽しく老化する。そっちのほうがいいなって思うんです。
運動するのに早すぎるということもないし、遅すぎるということもない──。講義の中で出てきた言葉です。運動の必要性に気づけば20代で始めてもいいし、60、70、80歳でも始めましょうって。名言ですよね。
散歩もラジオ体操もいいけれど、ダンスは足、腕、首、胸と全身くまなく動かせます。単調でないので飽きずに継続できて、これもいいところだと思います。
――ダレデモダンスのプログラムは「BOY MEETS GIRL」「OvernightSensation~時代はあなたに委ねてる~」などTRFのヒット曲を中心に20曲以上。専門のインストラクターも養成していて、カルチャーセンターなどで学べる。テンポはゆっくりめだが、カッコよさはキープ、挑戦しがいがある。
一番最初はいとこの病院で、心臓手術後にリハビリ中の患者さん20人に集まってもらい、心拍数などのデータも取りながら作っていきました。僕が「初めまして、さあ始めましょう」と言ったときのみなさんの表情が忘れられません。めちゃくちゃ不安そうでした。
まず椅子に座って体を動かし、そこから立って動くのですが、難しくてとてもできないという人もいました。そのとき、「そんなことないですよ、できますよ」と言うのはよくなくて、「難しければ、簡単にしちゃってください」とか「間違っていいですよ。左右反対でも気にしないで」と言うのがいいんですよね。そういう感じで進めていったら、みなさん徐々に心を開いてくれました。
週に1回、病院に通い、理学療法士とも相談しながら動きを改善し、4カ月で完成させました。それからは病院の枠を超えて月に1度、120人くらいを対象にさいたま市岩槻区でワークショップを開いてきました。